CFDはいくらから始められる?GMOクリック証券での少額投資のコツも解説
「CFDに興味があるけれど、始めるにはいくら必要なんだろう?」
「少ない資金でも投資ってできるのかな?」
最近よく耳にするCFD(差金決済取引)について、
特に少額から始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
CFDは、世界中の様々な市場にアクセスできる現代的な投資方法の一つです。
この記事では、特に日本の投資家から人気のあるGMOクリック証券を例に、
CFD取引を始めるために具体的にいくらくらいの資金が必要なのか、
そして、初心者の方が少額からでも安心して取引を始めるためのコツを、
わかりやすく解説していきます。
少ない資金だからと諦める必要はありません。
この記事を読めば、CFDの世界への扉が、
意外と身近にあることがわかるはずです。
本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の手法や知識を推奨したり、売買を勧めたりするものではありません。
本記事に記載されている情報については、正確性、完全性、有用性を確保するために努力しておりますが、その保証は致しかねます。
投資対象や商品の選択など、実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。
必要に応じて、財務アドバイザーや税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
本記事の情報を利用した結果として発生するいかなる損害についても、著者は一切の責任を負いません。
1. GMOクリック証券のCFD取引とは
まずはじめに、GMOクリック証券が提供するCFD取引の基本的な仕組みと、その特徴について見ていきましょう。
1.1 CFD(差金決済取引)の基本概念
CFDとは、「Contract For Difference」の略で、日本語では「差金決済取引」と呼ばれます。
これは、株式、株価指数、商品(金や原油など)といった実際の金融商品を保有することなく、その価格変動を予測して利益を狙う取引方法です。
取引を開始した時の価格と、取引を終了した時の価格の差額だけをやり取りするため、「差金決済」と呼ばれます。
現物の受け渡しがないのが特徴です。
CFDの重要な仕組みをいくつか紹介します。
差金決済 (Cash Settlement):
前述の通り、現物の受け渡しはありません。
買った価格と売った価格(または売った価格と買い戻した価格)の差額が利益または損失となります。
レバレッジ (Leverage):
「てこの原理」のように、預けた資金(証拠金)の何倍もの金額の取引ができる仕組みです。
例えばレバレッジ10倍なら、10万円の証拠金で100万円分の取引が可能になります。
少ない資金で大きな利益を目指せる可能性がある一方、損失も同様に拡大する可能性があるため注意が必要です。
GMOクリック証券では、取引する商品によって利用できる最大レバレッジが異なります(詳細は後述)。
売りから取引可能 (Can Start with Selling):
通常の株式投資では、基本的に安く買って高く売ることで利益を出しますが、CFDでは価格が下がることを予測した場合、「売り」から取引を始めることができます。
高く売って安く買い戻すことで、下落相場でも利益を狙うことが可能です。
これにより、相場の上昇・下落どちらの局面でも収益機会を探ることができます。
これらの仕組みにより、CFDは従来の投資方法にはない柔軟性を提供しますが、特にレバレッジはリスクも伴うため、しっかり理解しておくことが大切です(リスクについては第6章で詳しく解説します)。
なお、参考情報として、東京証券取引所の取引時間は、午前が9:00~11:30、午後は12:30~15:30です。
CFDは取引所取引とは異なり、より長い時間取引できる銘柄が多いですが、関連情報として知っておくと良いでしょう。
1.2 GMOクリック証券が提供するCFDの特徴
数ある証券会社の中でも、なぜGMOクリック証券のCFDが選ばれているのでしょうか。
特に初心者の方にとって嬉しい特徴をいくつかご紹介します。
国内店頭CFD取引高10年連続No.1の実績:
多くの日本の投資家に支持されており、その信頼性と人気がうかがえます。
各種手数料が無料:
取引手数料、口座維持手数料、出金手数料、ロスカット手数料、口座開設手数料などが原則無料です。
コストを抑えて取引を始めやすいのは大きなメリットです。
ただし、取引時には買値と売値の差である「スプレッド」が実質的なコストとして発生します。
少額から取引可能(ミニCFD):
GMOクリック証券では、通常の10分の1の単位(0.1枚)から取引できる「ミニCFD」を提供しています。
これにより、非常に少ない資金からでもCFD取引を始めることが可能です(詳細は第2章で解説)。
豊富な取扱銘柄:
日本の株価指数だけでなく、アメリカやヨーロッパの株価指数、金や原油といった商品、さらには外国株式まで、世界中の様々な資産に投資できます。
選択肢が多いので、自分の興味や戦略に合わせて銘柄を選べます(詳細は次項)。
高機能で使いやすい取引ツール:
初心者でも直感的に操作しやすいスマートフォンアプリや、多機能なPCツールが用意されています。
デモ取引も可能なので、実際の資金を使う前に操作に慣れることができます(詳細は第5章、第7章で解説)。
ほぼ24時間取引可能:
多くの銘柄が、日本時間の夜間や祝日でも取引できます。
日中忙しい方でも、自分のライフスタイルに合わせて取引時間を確保しやすいのが魅力です。
例えば、月曜から金曜の朝8時から翌朝7時頃まで取引できる銘柄もあります(米国夏時間などにより変動あり)。
これらの特徴から、GMOクリック証券は、CFD取引をこれから始めたい初心者の方にとって、始めやすく、続けやすい環境を提供していると言えるでしょう。
1.3 取扱銘柄の種類と特徴(株価指数、商品、株式など)
GMOクリック証券では、具体的にどのような銘柄のCFD取引ができるのでしょうか。
主なカテゴリーとその特徴を見てみましょう。
株価指数CFD:
日経平均株価(日本225)やNYダウ(米国30)など、特定の国の株式市場全体の動きを示す指数に連動するCFDです。
市場全体の動向を捉えたい場合に適しています。
GMOクリック証券では、日本の指数(日本225、日本TPX)のほか、アメリカ(米国30、米国S500、米国NQ100)、中国(上海A50、香港H)、ヨーロッパ(イギリス100、ドイツ40)など、世界中の主要な株価指数に投資できます。
株価指数CFDの最大レバレッジは通常10倍です。
商品CFD:
金(ゴールド)、銀、原油(WTI原油、北海原油)、天然ガスといったエネルギー、とうもろこしや大豆などの農産物など、「コモディティ」と呼ばれる商品に投資するCFDです。
現物を保有することなく、これらの価格変動から利益を狙えます。
貴金属、エネルギー、農産物、畜産物(牛肉、豚肉)など、幅広い商品がラインナップされています。
商品CFDの最大レバレッジは通常20倍と、他のカテゴリーに比べて高く設定されています。
これは、少ない資金で大きな取引ができる可能性がある一方、価格変動によるリスクも大きいことを意味します。
株式CFD:
個別の企業の株式を対象としたCFDです。
GMOクリック証券では、主にアメリカの有名企業の株式を取り扱っており、Amazon、Apple、Tesla、Microsoft、コカ・コーラ、マクドナルドなど、日本でもよく知られた企業の株価に投資できます。
株式CFDの最大レバレッジは通常5倍です。
バラエティCFD:
上記カテゴリーに分類されない、多様な資産を対象とするCFDです。
例えば、市場の変動性を示すVIX指数(米国VI)や、レバレッジ型ETF(例:米国30ブル3倍ETF)、不動産投資信託(REIT)に関連するETFなどが含まれます。
これらの銘柄は、特定の市場環境や戦略に基づいて活用されます。
バラエティCFDの最大レバレッジは通常5倍です。
このように、GMOクリック証券では多種多様な銘柄が用意されており、それぞれ異なる特徴とリスク・リターン特性を持っています。
特にレバレッジの違いは重要で、商品CFD(最大20倍)は株価指数CFD(最大10倍)や株式・バラエティCFD(最大5倍)と比べて、より少ない証拠金で大きなポジションを持てますが、その分リスクも高くなることを理解しておく必要があります。
初心者のうちは、まず自分が理解しやすい銘柄や、比較的リスクの低いレバレッジの銘柄から検討してみるのが良いかもしれません。
2. 最低資金と必要証拠金の概要
CFD取引を始めるにあたって、最も気になるのが「最低いくら必要なのか?」という点でしょう。
ここでは、GMOクリック証券でCFD取引を行う際の最低資金の考え方と、それを大きく変えた「ミニCFD」について解説します。
2.1 各CFD商品の必要証拠金率
CFD取引でポジション(建玉)を持つためには、「必要証拠金」と呼ばれる担保のような資金を口座に預け入れる必要があります。
この必要証拠金の額は、取引する金額に対して一定の割合(必要証拠金率)で決まります。
GMOクリック証券では、CFDの商品カテゴリーごとに必要証拠金率が定められています。
(1) 株価指数CFD:取引金額の10%(レバレッジ10倍)
日本225や米国30などの株価指数CFDを取引する場合、取引したい金額の10%にあたる証拠金が必要です。
これは、最大10倍のレバレッジがかけられることを意味します。
(2) 商品CFD:取引金額の5%(レバレッジ20倍)
金や原油などの商品CFDは、取引金額の5%の証拠金で取引できます。
最大レバレッジは20倍と、最も高くなっています。
少ない資金で大きな取引が可能ですが、リスクも最も高くなります。
(3) 株式CFD:取引金額の20%(レバレッジ5倍)
個別企業の株式CFDでは、取引金額の20%の証拠金が必要です。
最大レバレッジは5倍です。
(4) バラエティCFD:取引金額の20%(レバレッジ5倍)
VIX指数などのバラエティCFDも、株式CFDと同様に取引金額の20%、最大レバレッジ5倍となっています。
この関係をまとめたものが以下の表です。
表1: GMOクリック証券 CFDカテゴリ別 必要証拠金率とレバレッジ
カテゴリ | 必要証拠金率 | 最大レバレッジ |
株価指数CFD | 10% | 10倍 |
商品CFD | 5% | 20倍 |
株式CFD | 20% | 5倍 |
バラエティCFD | 20% | 5倍 |
出典: GMOクリック証券 FAQ
この表からわかるように、必要証拠金率が低いほど、最大レバレッジは高くなります。
例えば、商品CFDは5%の証拠金で済むため、レバレッジは20倍までかけられます。
一方、株式CFDは20%の証拠金が必要なため、レバレッジは5倍までとなります。
初心者のうちは、この「必要証拠金率が低い=レバレッジが高い=リスクも高い」という関係性をしっかり理解することが重要です。
低い証拠金で始められるからといって、安易に高レバレッジの商品に手を出すのではなく、リスクを十分に考慮して選ぶようにしましょう。
2.2 ミニCFD(0.1枚単位)の導入とその影響
GMOクリック証券がCFD取引をより身近なものにした大きな要因の一つが、「ミニCFD」の導入です。
これは、従来の最低取引単位であった「1枚」の10分の1、つまり「0.1枚」という非常に小さい単位から
取引を可能にするものです。
ミニCFDの導入は、特に少額から始めたい初心者にとって、以下のような大きなメリットをもたらしました。
(1) 最低必要証拠金が従来の10分の1に
取引単位が10分の1になったことで、ポジションを持つために必要な最低証拠金も単純に10分の1になりました。
これにより、これまで「少し資金が足りない」と感じていた人でも、気軽にCFD取引を始められる可能性が広がりました。
(2) 例:日本225ミニCFDは約4,000円台から取引可能
具体的な例を挙げると、人気の株価指数である日本225(日経平均株価)の場合、従来の1枚単位では約40,000円程度の証拠金が必要でしたが(後述の計算例参照)、ミニCFD(0.1枚)であれば、その10分の1、つまり約4,000円程度の証拠金から取引を開始できます。(※価格は変動するため、あくまで目安です)
他の銘柄でも、数百円から数千円程度の証拠金で始められるものが多くあります。
ミニCFDは、単に「安く始められる」というだけでなく、少額で実際の市場の動きや取引の感覚を掴むための「リアルマネーでの練習」としても非常に有効です。
デモ取引で操作に慣れた後、本格的な取引に移る前段階として活用することで、リスクを抑えながら実践的な経験を積むことができます。
さらに、少ない資金でも複数の銘柄に分散投資したり、時間をおいて少しずつポジションを建てたりするなど、より柔軟な資金管理やリスク分散戦略を実行しやすくなるという点も、ミニCFDの大きな利点と言えるでしょう(詳細は第4章で解説)。
このように、ミニCFDはGMOクリック証券におけるCFD取引のハードルを大きく下げ、初心者にとって非常に魅力的な選択肢となっています。
3. 必要証拠金の計算方法と実例
実際に特定の銘柄を取引する場合、具体的にいくらの証拠金が必要になるのでしょうか。
ここでは、GMOクリック証券における必要証拠金の計算方法と、いくつかの銘柄を例にした計算実例をご紹介します。
3.1 必要証拠金の計算式
GMOクリック証券では、必要証拠金を計算するための基本的な式が定められています。
(1) 1枚あたり:
必要証拠金 = 約定単価 × 取引単位 × コンバージョンレート ÷ レバレッジ
(2) 0.1枚あたり:
必要証拠金 = (約定単価 × 取引単位 × コンバージョンレート ÷ レバレッジ) ÷ 10
(つまり、1枚あたりの計算結果を10で割る)
計算結果に小数点以下の端数が出た場合は、切り上げて整数にします(例:67.5円 → 68円)。
各項目の意味は以下の通りです。
約定単価
取引が成立した時の価格です。
取引単位: 各銘柄ごとに定められた、価格に乗じる係数です。
例えば、日本225の取引単位は「CFD価格の10倍」と定められています。
これは、日本225のCFD価格が40,000円の場合、1枚あたりの取引金額が40,000円 × 10 = 400,000円として 計算されることを意味します。
各銘柄の取引単位は、GMOクリック証券のウェブサイトや 取引ツールで確認できます。
コンバージョンレート
取引する銘柄が日本円以外の通貨(米ドルなど)で 表示されている場合に、その価格を日本円に換算するための為替レートです。
日本225のように円建ての銘柄では、このレートは考慮不要です(実質1として計算)。
米ドル建ての銘柄(例:米国30、WTI原油、米国株など)を取引する場合は、その時点でのGMOクリック証券が定める換算レートが適用されます。
レバレッジ: 第2章で説明した、商品カテゴリーごとの 最大レバレッジ(5倍、10倍、20倍のいずれか)です。
この計算式を理解しておけば、取引したい銘柄の現在の価格や為替レート(必要な場合)を確認することで、注文を出す前に、おおよそどれくらいの証拠金が必要になるかを自分で見積もることができます。
これにより、資金計画を立てやすくなり、より計画的な取引が可能になります。
3.2 具体的な銘柄別の必要証拠金例
では、実際にいくつかの銘柄について、上記の計算式を使って必要証拠金を計算してみましょう。
以下の計算例は、特定の価格や為替レートを仮定したものであり、実際の必要証拠金は市場の状況によって常に変動します。
あくまで目安として参考にしてください。
計算の基になる価格や取引単位、レバレッジはGMOクリック証券の情報に基づいています。
(1) 日本225(株価指数CFD / レバレッジ10倍 / 円建て)
仮定:約定単価 40,000円
取引単位:10
コンバージョンレート:不要(円建てのため実質1)
レバレッジ:10倍
1枚あたり必要証拠金: 40,000 × 10 × 1 ÷ 10 = 40,000円
0.1枚あたり必要証拠金: 40,000円 ÷ 10 = 4,000円 (GMOクリック証券の2023年9月時点の例 でも約3,300円と近い水準です)
(2) WTI原油(商品CFD / レバレッジ20倍 / 米ドル建て)
仮定:約定単価 80.000米ドル
取引単位:10
仮定:コンバージョンレート(USD/JPY) 150.00円
レバレッジ:20倍
1枚あたり必要証拠金: 80.000 × 10 × 150.00 ÷ 20 = 6,000円
0.1枚あたり必要証拠金: 6,000円 ÷ 10 = 600円 (GMOクリック証券の2023年9月時点の例 でも約620円と近い水準です)
(3) 豚肉(商品CFD / レバレッジ20倍 / 米ドル建て)
仮定:約定単価 0.900米ドル
取引単位:100 (※豚赤身肉先物参照、単位は100ポンド)
仮定:コンバージョンレート(USD/JPY) 150.00円
レバレッジ:20倍
1枚あたり必要証拠金: 0.900 × 100 × 150.00 ÷ 20 = 675円
0.1枚あたり必要証拠金: 675円 ÷ 10 = 67.5円 → (小数点以下切り上げ) 68円
(4) 米国個別株(例:仮の株価 / 株式CFD / レバレッジ5倍 / 米ドル建て)
仮定:約定単価 100.00米ドル
取引単位:1 (※多くの米国株CFDの取引単位は1)
仮定:コンバージョンレート(USD/JPY) 150.00円
レバレッジ:5倍
1枚あたり必要証拠金: 100.00 × 1 × 150.00 ÷ 5 = 3,000円
0.1枚あたり必要証拠金: 3,000円 ÷ 10 = 300円
これらの例をまとめたものが以下の表です。
表2: 主要銘柄の最低必要証拠金(目安)
銘柄 | カテゴリ | レバレッジ | 1枚あたり必要証拠金 (約) | 0.1枚あたり必要証拠金 (約) |
日本225 | 株価指数CFD | 10倍 | 40,000円 | 4,000円 |
WTI原油 | 商品CFD | 20倍 | 6,000円 | 600円 |
豚肉 | 商品CFD | 20倍 | 675円 | 68円 |
米国株(例) | 株式CFD | 5倍 | 3,000円 | 300円 |
注: 上記は仮定の価格・レートに基づく計算例であり、実際の金額は変動します。
この表を見ると、ミニCFD(0.1枚)を利用することで、多くの銘柄が数千円、場合によっては数百円という非常に少ない証拠金で取引を始められることがわかります。
ただし、注意点として、豚肉のように1枚あたりの必要証拠金が非常に低い銘柄もありますが、これは元の価格(約定単価)が低いだけで、レバレッジは20倍と高く設定されています。
必要証拠金の絶対額が低いからといって、リスクが低いわけではないことを忘れてはいけません。
リスクは主にレバレッジの高さと価格変動の大きさによって決まります。
少額で始められることは大きな魅力ですが、常にリスク管理を意識することが重要です。
4. 初心者におすすめの取引戦略と資金管理
CFD取引を少額から始める際に、ただやみくもに取引するのではなく、しっかりとした戦略と資金管理を行うことが成功への鍵となります。
ここでは、初心者の方がリスクを抑えつつ、着実に経験を積むための考え方をご紹介します。
4.1 必要証拠金の3倍程度の資金を推奨
第3章で計算した「必要証拠金」は、あくまでポジションを持つために最低限必要な金額です。
しかし、取引を開始した直後に価格が少しでも不利な方向に動くと、すぐに証拠金が不足し、ロスカット(強制的な損失確定)になってしまう可能性があります。
そこで、実際に取引を始める際には、最低必要証拠金ぴったりの金額を入金するのではなく、ある程度の余裕を持たせた資金(余剰資金)を用意しておくことが推奨されます。
具体的には、取引したいポジションの必要証拠金の2倍から3倍程度の資金を口座に入れておくことを目安とすると良いでしょう。
例えば、日本225ミニ(0.1枚)の必要証拠金が約4,000円の場合、口座には8,000円~12,000円程度を入金しておく、といった具合です。
この余裕資金(バッファー)があることで、以下のようなメリットが生まれます。
ロスカットのリスク低減: 多少の価格変動があっても、すぐに証拠金不足に陥ることを避けられます。
これにより、冷静に相場を判断する時間的な余裕が生まれます。
精神的な安定: 常にロスカットを心配しながら取引する状態を避け、落ち着いて取引に臨むことができます。
柔軟な対応: 相場が予想通りに動いた場合に、追加でポジションを持つ(追撃)などの戦略も取りやすくなります。
最低限の資金で取引を始めることは可能ですが、それは同時に非常にリスクの高い状態でもあります。
「取引を始めるための最低資金」と「安定して取引を続けるための推奨資金」は異なるということを理解しておくことが、長期的に投資を続けていく上で非常に重要です。
4.2 少額から始めるメリットとリスク管理の重要性
GMOクリック証券のミニCFD(0.1枚)などを活用して少額から取引を始めることには、多くのメリットがあります。
心理的な負担が少ない: 失っても生活に大きな影響が出ない範囲の金額で始めることで、過度なプレッシャーやストレスを感じずに取引に臨めます。 冷静な判断を保ちやすくなります。
実践的な学習機会: デモ取引では得られない、実際のお金が動くことによる 緊張感や市場のリアルな反応を、少ないリスクで体験できます。
失敗から学ぶことも、少額であればダメージは限定的です。
段階的なステップアップ: まずは少額で取引に慣れ、自信と経験を積み重ねてから、徐々に取引金額を増やしていくという、着実なステップを踏むことができます。
しかし、忘れてはならないのは、少額取引であっても、レバレッジがかかっている以上、リスクは存在するということです。
たとえ数百円の証拠金で始めた取引でも、相場が大きく不利な方向に動けば、その損失は証拠金の何倍にもなる可能性があります。
そのため、取引金額の大小にかかわらず、リスク管理の意識を常に持つことが極めて重要です。
具体的には、以下のような基本的なリスク管理手法を身につけることが求められます。
損切り(ストップロス)注文の活用: 事前に「ここまで価格が下がったら(または上がったら)損失を確定する」 というラインを決めておき、自動的に決済されるように注文を入れておく方法です。
感情に左右されずに損失を限定する効果があります。
証拠金維持率の管理: 自分の口座の証拠金維持率(第6章で詳述)を常に把握し、一定の水準を下回らないように注意します。
必要に応じて資金を追加するか、ポジションの一部または全部を決済します。
ロスカットルールの理解: 証券会社が定めるロスカットのルールを正確に理解し、それに抵触しないように余裕を持った資金管理を心がけます。
少額から始めることは、リスクを抑えながら学ぶための賢明なアプローチですが、それはリスク管理を怠って良いという意味ではありません。
むしろ、少額のうちに正しいリスク管理の習慣を身につけることが、将来的に大きな資金で取引する際の成功の土台となります。
4.3 ミニCFDを活用したリスク分散の方法
少額資金であっても、GMOクリック証券のミニCFD(0.1枚)をうまく活用すれば、リスク分散を図ることが可能です。
リスク分散とは、投資対象を一つに集中させず、複数の対象に分けて投資することで、特定の投資対象が値下がりした場合の影響を和らげる考え方です。
ミニCFDを使ったリスク分散の具体的な方法としては、以下のようなものが考えられます。
複数銘柄への分散:
例えば、10,000円の資金がある場合、日本225ミニ(必要証拠金 約4,000円)に1枚(0.1枚)投資する代わりに、日本225ミニに0.1枚(約4,000円)、WTI原油ミニに0.1枚(約600円)、さらに別の銘柄(例:金スポットミニ 約1,500円 )に0.1枚、といったように、異なる市場や資産クラスの銘柄に少しずつ投資することができます。
これにより、特定の市場だけが大きく変動した場合でも、ポートフォリオ全体への影響を抑える効果が期待できます。
時間分散(ドルコスト平均法に近い考え方):
特定の銘柄に投資する場合でも、一度に目標とするポジション量を建てるのではなく、時間をずらして複数回に分けて0.1枚ずつポジションを建てていく方法です。
例えば、「毎月決まった日に0.1枚ずつ買い増していく」「価格が一定水準下がるごとに0.1枚ずつ買い下がる」といった戦略が考えられます。
これにより、購入価格(または売却価格)を平準化する効果が期待できます。
もちろん、分散投資が常にリスクを完全に排除するわけではありませんし、全ての投資対象が同時に値下がりする可能性もあります。
しかし、一つの銘柄やタイミングに資金を集中させるよりも、一般的にリスクを低減させる効果が期待できるため、特に初心者にとっては有効な戦略となり得ます。
ミニCFDの登場により、従来はまとまった資金がないと難しかったこのような分散戦略が、少額の個人投資家にも実行しやすくなったことは、大きな進歩と言えるでしょう。
5. GMOクリック証券の取引ツールとサポート体制
GMOクリック証券は、取引を快適に行うためのツールや、困ったときに頼りになるサポート体制も充実しています。
ここでは、その主なものを紹介します。
5.1 スマートフォンアプリ「GMOクリック CFD」の機能
現代の投資家にとって、スマートフォンでの取引はもはや当たり前になっています。
GMOクリック証券が提供する専用アプリ「GMOクリック CFD」は、場所を選ばずに、本格的な取引ができるように設計されています。
主な機能や特徴は以下の通りです。
直感的で使いやすい操作性: 初心者でも迷わずに操作できるよう、シンプルで分かりやすいインターフェースになっています。
高機能チャート: 移動平均線やボリンジャーバンド、MACDなど、多数のテクニカル指標を利用できます。
チャート画面を最大4分割で表示したり、ライン描画機能を使ったりすることも可能です。 スマホだけで高度な相場分析が行えます。
スピード注文: チャートを見ながらワンタップで素早く注文(新規・決済・ドテン・全決済)を 出すことができる機能です。 刻々と変化する相場のチャンスを逃しません。
豊富な情報収集機能: 銘柄検索はもちろん、値上がり率や出来高などの ランキング表示で注目銘柄を探せます。
気になる銘柄を登録できるウォッチリストは、背景にミニチャートが表示され、値動きを把握しやすくなっています。
経済指標カレンダーやマーケットニュースもアプリ内で確認できます。
各種アラート通知: 設定した価格に到達したことを知らせる価格アラートや、経済指標発表の通知など、取引に役立つ情報を プッシュ通知で受け取れます。
登録不要のデモ取引: アプリをインストールすれば、メールアドレスなどの登録なしで、すぐにデモ取引を始めることができます。 本番取引と同じ環境で、気軽に操作を試せます。
Apple Watch対応: Apple Watchからでも、レートやチャートの確認、さらには注文まで可能です。
このように、「GMOクリック CFD」アプリは、単なる簡易版ではなく、分析から発注、情報収集まで、取引に必要な機能が網羅されたパワフルなツールです。
外出先や移動中でも、本格的なCFD取引を行うことができます。
5.2 高機能な分析ツール「プラチナチャート」の活用
より詳細な分析を行いたい、あるいはPCの大画面でじっくりと相場に向き合いたいという方には、PC専用の高機能チャートツール「プラチナチャート」が用意されています。
プラチナチャートの主な特徴は以下の通りです。
FXネオ・CFD両対応: GMOクリック証券が提供するFX(FXネオ)とCFDの両方の 銘柄を表示・分析できます。
例えば、米ドル/円(FX)とWTI原油(CFD)のチャートを 並べて表示し、相関関係を見ながら分析するといったことが可能です。
豊富なテクニカル指標と描画ツール: 38種類ものテクニカル指標と、25種類の描画オブジェクトが搭載されており 、プロのトレーダーも利用するような高度な分析が可能です。
移動平均線、一目均衡表、RSI、MACDなどの定番はもちろん、多様な分析手法に対応しています。
比較チャート機能: FX、CFDの全銘柄に加え、TOPIX(東証株価指数)や 日米の国債など、最大4つの異なる金融商品のチャートを 一つの画面に重ねて表示できます。
これにより、市場間の関連性や資金の流れなどを 視覚的に捉えるのに役立ちます。
自由なレイアウトとマルチモニター対応: チャートウィンドウは最大16枚まで表示可能で、自分の見やすいように自由に配置できます。
複数のモニターを使っている場合にも対応しています。
チャート上からのスピード注文: プラチナチャートの画面上から、FXネオ・CFDともにスピーディーに発注できます。
分析から注文までをシームレスに行えます。
利用料無料: GMOクリック証券に口座を持っていれば、追加料金なしで利用できます。
プラチナチャートは、初心者の方が最初から全ての機能を使いこなす必要はありませんが、取引経験を積んで、より高度な分析をしたくなった際に、強力な武器となるツールです。
GMOクリック証券が、初心者から経験者まで幅広い層のニーズに応えるプラットフォームを提供していることの表れと言えるでしょう。
ただし、デモ取引ではプラチナチャートは利用できない場合がある点には注意が必要です。
5.3 サポート体制とその利便性
取引をしていて疑問点が出てきたり、ツールの操作で困ったりした際に、頼りになるのがカスタマーサポートです。
GMOクリック証券は、サポート体制にも力を入れています。
連絡手段: 電話での問い合わせが可能です。
フリーダイヤル(固定電話から)とナビダイヤル(携帯電話から)が 用意されています。
メールなど他の方法については、公式サイトでの確認が必要です。
対応時間: 電話サポートの営業時間は、問い合わせる内容によって異なります。
株式取引などに関する問い合わせは、平日の8:00~17:00となっています。
一方で、FXやCFDに関する問い合わせについては、これとは異なる(より長い、あるいは24時間体制の) 対応時間が設けられている可能性があります。
「24時間無料サポート」という評価もありますが 、CFD取引に関する正確なサポート対応時間については、必ずGMOクリック証券の公式サイトで最新の情報を確認してください。
サポート内容: 口座開設の手続き、取引ツールの使い方、入出金の方法など、取引に関する様々な疑問に対応してくれます。
初心者の方が安心して取引を始められるよう、サポート体制が整えられていると評価されています。
特にCFDは、ほぼ24時間取引が可能であるため 、夜間や早朝に取引していて疑問が生じることも考えられます。
CFD取引に特化したサポート時間がどのようになっているか、事前に公式サイトで確認しておくと、いざという時に安心です。
充実したサポート体制は、初心者にとって心強い味方となるでしょう。
6. CFD取引における注意点とリスク
CFD取引は、少額から始められ、多様な投資機会を提供してくれる魅力的な金融商品ですが、同時に特有のリスクも存在します。
取引を始める前に、これらのリスクを十分に理解し、対策を講じることが不可欠です。
6.1 レバレッジ取引による損失リスク
CFDの最大の特徴であるレバレッジは、少ない資金で大きな利益を狙える可能性がある反面、損失も同様に拡大させる諸刃の剣です。
例えば、レバレッジ10倍で取引している場合、投資対象の価格が自分の予想と反対方向に1%動いただけでも、預けた証拠金に対してはその10倍、つまり10%の損失が発生します。
もし価格が10%不利な方向に動けば、証拠金の100%に相当する損失となり、預けた資金の全てを失う可能性があります。
さらに、相場が急激に変動した場合などには、損失額が預けた証拠金の額を上回ってしまう(追証が発生する、またはロスカットが間に合わない)リスクもゼロではありません。
レバレッジを高く設定すればするほど、このリスクは増大します。
CFD取引を行う上で、このレバレッジのリスクを正しく理解し、常に意識しておくことが最も重要です。
自分の許容できるリスクの範囲内でレバレッジを設定し、過度なリスクを取らないように心がける必要があります。
6.2 スプレッドの変動性とその影響
GMOクリック証券のCFD取引は、取引手数料が無料ですが 、実質的な取引コストとして「スプレッド」が存在します。
スプレッドとは、同一の銘柄における買値(Ask)と売値(Bid)の差額のことです。
取引を開始した時点で、このスプレッド分の評価損を抱えることになります。
重要なのは、スプレッドは常に一定ではないということです。
通常、市場の流動性が低い時間帯(例えば、早朝や年末年始など)や、重要な経済指標の発表時、あるいは市場が急変動している時などには、スプレッドが通常よりも拡大する(広がる)傾向があります。
スプレッドが広がると、取引のコストが増加します。
特に、短期間に何度も売買を繰り返すような取引スタイル(スキャルピングなど)では、スプレッドの変動が収益に与える影響は大きくなります。
取引を行う際には、現在のスプレッドがどの程度なのかを確認し、特にスプレッドが広がりやすい時間帯や状況での取引は慎重に行うことが求められます。
6.3 ロスカットルールと証拠金維持率の管理
CFD取引には、投資家の損失が際限なく拡大するのを防ぐための仕組みとして、「ロスカット」ルールが設けられています。
これは、保有しているポジションの含み損が拡大し、口座の資産状況を示す「証拠金維持率」が一定の水準を下回った場合に、保有しているポジションが強制的に決済される仕組みです。
証拠金維持率:
これは、口座の純資産額(口座残高 ± 保有ポジションの評価損益)が、ポジションを維持するために必要な証拠金額(必要証拠金)に対してどのくらいの割合あるかを示す指標です。
計算式は 証拠金維持率 = (純資産額 ÷ 必要証拠金) × 100% です。
この数値が高いほど、口座の安全性は高いと言えます。
ロスカット水準:
GMOクリック証券では、建玉ごとにロスカットレートが設定され、現在値がそのレートに到達すると、該当する建玉が強制決済されます。
また、口座全体の状況を監視する仕組みとして、証拠金維持率が一定水準(例えば100%など、証券会社や商品により異なる – GMOクリック証券の正確な水準は公式サイトで要確認)を下回るとロスカットが執行される場合があります。
ロスカットが執行されると、意図しないタイミングで損失が確定することになります。
アラート機能:
多くの証券会社では、証拠金維持率がロスカット水準に近づくと(例えば150%や120%を下回った場合など )、事前にメールなどで警告(アラート)を発信する機能があります。
GMOクリック証券が同様のサービスを提供しているかは、公式サイトで確認が必要です。
追加証拠金(追証)と強制決済:
GMOクリック証券では、毎営業日の取引終了時点で口座状況をチェックし、証拠金維持率が基準(例:100%)を下回っていると、「追加証拠金(追証)」が発生する場合があります。
追証が発生すると、定められた期限までに不足分の証拠金を入金するか、保有ポジションの全部または一部を決済して
証拠金維持率を回復させる必要があります。
期限までに解消できない場合、保有している全建玉が強制的に決済(強制決済)されます。
この強制決済は、市場の状況によっては預けた証拠金以上の損失が発生する可能性もあるため、非常に注意が必要です。
追証はリアルタイムのロスカットとは別のルールであり、特にポジションを持ち越す場合には注意が必要です。
ロスカットや追証のルールは、投資家保護の側面もありますが、これらに頼った取引は非常に危険です。
自ら証拠金維持率を常に把握し、余裕を持った資金管理を行うこと、そして損切り注文を活用して、ロスカットが執行される前に損失をコントロールすることが、CFD取引で生き残るためには不可欠です。
7. 口座開設と取引開始の手順
GMOクリック証券でCFD取引を始めるための具体的なステップを見ていきましょう。
口座開設から実際の取引開始までの流れを解説します。
7.1 口座開設の流れと必要書類
GMOクリック証券でCFD取引口座を開設する手順は、すでにGMOクリック証券の他の口座を持っているかどうかで
少し異なります。
【GMOクリック証券の口座をまだ持っていない場合】
公式サイトから申込み: GMOクリック証券の公式サイトへアクセスし、口座開設の申し込みフォームに進みます。
口座選択: 申し込みフォーム内で、「証券取引口座」を選択し、同時に「CFD取引口座」にもチェックを入れて申し込みます。 (CFD取引は証券取引口座の一部として提供されるため)
情報入力: 氏名、住所、連絡先などの本人情報、職業、年収、投資経験などを正確に入力します。
入力項目は1ページにまとまっていることが多く、比較的簡単です。
必要書類の提出: 本人確認書類とマイナンバー確認書類を提出します。 提出方法は主に以下の3つです。
スマホでスピード本人確認: スマートフォンで本人確認書類と顔写真を撮影して提出する方法。最も早く手続きが完了します。
アップロード: 書類の画像をウェブサイトからアップロードする方法。
郵送: 申込書と書類のコピーを郵送する方法。
利用できる書類の組み合わせ(例:マイナンバーカード1枚、または通知カード+運転免許証など)は 公式サイトで確認してください。
審査: GMOクリック証券側で申し込み内容と書類に基づき審査が行われます。
口座開設完了: 審査に通ると、口座開設完了の通知がメールや郵送で届きます。
ログインIDやパスワードが送られてくるので、大切に保管しましょう。
スマホでスピード本人確認を利用した場合、最短で申し込みから2営業日程度で取引を開始できる場合があります。
【すでにGMOクリック証券の証券取引口座を持っている場合】
会員ページから申込み: PC会員ページまたはスマホアプリにログインし、「口座開設状況」などのメニューからCFD取引口座の 追加開設を申し込みます。
通常、追加の書類提出は不要で、比較的短時間(最短1分程度 )で手続きが完了します。
【FX専用取引口座のみを持っている場合】
会員ページから申込み: 会員ページにログインし、「口座開設状況」などから 「証券取引口座」と「CFD取引口座」の 同時開設を申し込みます。
追加で情報入力や書類提出が必要になる場合があります。
必要書類:
本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証、住民票の写しなどの中から、指定された組み合わせで提出します。
マイナンバー確認書類: マイナンバーカード、通知カード、またはマイナンバーが記載された住民票の写しのいずれかが必要です。
どの書類が利用可能か、最新の情報は必ずGMOクリック証券の公式サイトで確認してください。
スムーズな口座開設のため、事前に必要な書類を準備しておくと良いでしょう。
7.2 初回入金額の目安と資金移動の方法
口座が開設できたら、次はいよいよ取引資金を入金します。
初回入金額の目安:
GMOクリック証券では、口座開設自体に最低入金額の定めはありません。
しかし、実際に取引を始めるには証拠金が必要です。
いくら入金すべきかは、どの銘柄をどれくらいの量(枚数)で取引したいかによって決まります。
ここで重要になるのが、第3章で見た「必要証拠金」と、第4章で推奨した「余裕資金」の考え方です。
例えば、「まずは日本225ミニ(0.1枚)から試してみたい」と考えるなら、必要証拠金は約4,000円(目安)です。
これに余裕を持たせるため、その3倍程度の約12,000円を入金する、というのが一つの目安になります。
もちろん、もっと少ない金額(例えば最低必要証拠金+α)から始めることも可能ですが、リスク管理の観点からは
ある程度の余裕を持つことが推奨されます。
自分のリスク許容度と取引計画に合わせて、無理のない範囲で最初の入金額を決めましょう。
資金移動(入金)の方法:
GMOクリック証券では、主に以下の入金方法が利用できます。
即時入金サービス: 提携している金融機関の インターネットバンキングを利用して、ほぼリアルタイムでCFD口座に資金を反映させる方法です。
手数料は無料の場合が多く 、非常に便利です。
振込入金: GMOクリック証券が指定する銀行口座に 振り込む方法です。
金融機関によっては振込手数料がかかる場合があり、口座への反映にも時間がかかることがあります。
通常は、スピーディーで手数料もかからない「即時入金サービス」を利用するのがおすすめです。
また、すでにGMOクリック証券の証券取引口座などに資金がある場合は、会員ページから簡単な操作で
CFD取引口座へ資金を振り替える(移動させる)ことも可能です。
7.3 デモ取引の利用方法とそのメリット
実際の資金を入金する前に、あるいは入金した後でも、ぜひ活用したいのが「デモ取引」です。
デモ取引は、仮想の資金を使って、本番とほぼ同じ環境でCFD取引を体験できるサービスです。
利用方法:
スマートフォンアプリ: 「GMOクリック CFD」アプリを ダウンロードし、ログイン画面で「デモ取引を始める」を タップするだけで、登録不要ですぐに開始できます。
PC: GMOクリック証券のウェブサイトから デモ取引の申し込みを行います。
メールアドレスなどの登録が必要な場合があります。 仮想資金の額(例:10万円~1,000万円)を選んでスタートします。
デモ取引のメリット:
リスクゼロで練習できる: 実際のお金を使わないので、損失を心配することなく、注文方法やツールの使い方を 心ゆくまで練習できます。
プラットフォームに慣れる: 本番と同じ取引画面や チャートを使えるため 、操作に習熟し、本番取引での誤操作を防ぐのに役立ちます。
取引戦略を試せる: 様々なテクニカル指標を使ってみたり、自分なりの売買ルールを試したりして、その効果を仮想環境で検証できます。
市場の動きを体感できる: リアルタイム(またはそれに近い) レートで価格が動くため、CFD特有の値動きの速さや 変動の大きさを肌で感じることができます。
注意点:
デモ取引は非常に有用ですが、あくまで仮想の取引です。
実際のお金がかかっていないため、本番取引のような精神的なプレッシャーはありません。
また、デモ取引では利用できない機能(ニュース閲覧、プラチナチャートなど)も一部あります。
デモ取引の利用期間は、PC版では1ヶ月など制限がある場合があります。
CFD取引、特にレバレッジ取引は、初心者にとって最初は戸惑うことも多いかもしれません。
デモ取引を十分に活用して、操作に慣れ、基本的な知識と自信をつけてから実際の取引に臨むことが、失敗のリスクを減らすための賢明なステップと言えるでしょう。
8. まとめ
この記事では、「CFDはいくらから始められるのか?」という疑問に答えるため、GMOクリック証券を例に、最低資金の目安や少額投資のコツを解説してきました。
重要なポイントをまとめると以下のようになります。
CFD(差金決済取引)は、現物を持たずに価格差を取引する仕組みで、レバレッジを利用でき、売りからも取引を始められます。
GMOクリック証券は、手数料の安さ、豊富な銘柄、使いやすいツール、そして特に「ミニCFD(0.1枚取引)」の導入により、少額からのCFD取引を可能にしています。
最低必要証拠金は、銘柄やレバレッジによって異なりますが、ミニCFDなら日本225で約4,000円、WTI原油で約600円など、数千円、数百円から始められる銘柄も多くあります(価格は目安)。
ただし、実際に取引する際は、必要証拠金の3倍程度の余裕資金を 用意することが、リスク管理の観点から推奨されます。
少額取引であってもレバレッジのリスクは存在するため、損切り注文の活用や証拠金維持率の管理など、リスク管理を徹底することが非常に重要です。
取引を始める前には、デモ取引を十分に活用して、操作や市場の動きに慣れることが大切です。
CFD取引は、世界中の市場にアクセスし、少ない資金でも大きなチャンスを掴める可能性がある一方で、リスクも伴う投資です。
しかし、GMOクリック証券のミニCFDのような仕組みを活用し、正しい知識とリスク管理を身につければ、初心者の方でも、無理なく、そして賢く投資の世界への第一歩を踏み出すことができるでしょう。
まずは、GMOクリック証券のウェブサイトでさらに詳しい情報を確認したり、登録不要のスマートフォンアプリで
デモ取引を試してみてはいかがでしょうか。
免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。記事内の情報は、作成時点での情報に基づいており、最新の情報とは異なる場合があります。取引条件やリスクについては、必ずGMOクリック証券の公式サイトにて最新の情報をご確認ください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
【登場人物】






CFDと他投資商品の比較
CFDの雑学
ミニCFD GMOクリック証券
※CFD:差金決済取引