MENU

初心者向け【CFDとFXの違いをわかりやすく解説!】特徴と選び方も紹介

近年、インターネットを通じて個人でも手軽に始められる投資として、CFD(差金決済取引)やFX(外国為替証拠金取引)が注目されています。

どちらも少ない資金から始められる可能性があるなど、魅力的な特徴を持っていますが、その仕組みや取引対象は異なります。

この記事では、投資初心者の方、特に「CFDとFXの違いって何だろう?」「どちらが自分に合っているのかな?」と疑問に思っている方に向けて、CFDとFXの基本的な違いや共通点、そしてそれぞれの取引がどのような方に向いているのかを、わかりやすく解説していきます。

CFDもFXもレバレッジを利用した取引であり、大きな利益を期待できる反面、リスクも伴います。

取引を始める前に、それぞれの特徴をしっかりと理解し、ご自身の投資スタイルや目標に合ったものを選ぶことが大切です。

この記事が、皆さんの投資への第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

本記事について

本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の手法や知識を推奨したり、売買を勧めたりするものではありません。

本記事に記載されている情報については、正確性、完全性、有用性を確保するために努力しておりますが、その保証は致しかねます。

投資対象や商品の選択など、実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。

必要に応じて、財務アドバイザーや税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

本記事の情報を利用した結果として発生するいかなる損害についても、著者は一切の責任を負いません。

目次

1. CFDとFXの基本的な違い

CFDとFXは、どちらも証拠金を預けて取引を行う点は似ていますが、その中身にはいくつかの重要な違いがあります。

まずは、基本的な違いを一つずつ見ていきましょう。

1.1 投資対象の違い

最も大きな違いは、何に投資するか、つまり「投資対象」です。

(1) CFD:株価指数、商品、株式、ETFなど多様な資産が対象。

CFDは「Contract for Difference」の略で、日本語では「差金決済取引」と呼ばれます。

これは、実際に金融資産(株や商品など)を保有するのではなく、その資産の価格変動を利用して利益を狙う取引方法です。売買した時の価格差だけを決済するため、差金決済取引といいます。

CFDの最大の魅力は、投資対象の多様性にあります。

例えば、以下のような様々な市場の値動きに投資できます。

  • 株価指数: 日経平均株価(日経225)やTOPIX、アメリカのNYダウやナスダックなど、各国の代表的な株価指数。市場全体の動きを反映します。
  • 商品(コモディティ): 原油や金、銀、とうもろこしなど、世界中で取引される資源や農産物。世界経済の動向や需給バランスの影響を受けます。
  • 株式: トヨタやソニーといった日本の個別企業の株式や、アップルやグーグル(アルファベット)など海外の有名企業の株式。(取扱銘柄は証券会社によります)
  • ETF(上場投資信託): 特定の指数や資産に連動するように運用される投資信託。

このように、CFDを利用すれば、一つの口座で世界中の様々な市場に分散して投資することが可能です。

為替以外の多様なマーケットにアクセスできる点が、FXにはないCFDの大きな特徴と言えるでしょう。

(2) FX:通貨ペア(例:USD/JPY、EUR/USD)を対象とした為替取引。

FXは「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれます。

その名の通り、異なる国の通貨を交換(売買)する取引です。

FXの投資対象は「通貨ペア」です。例えば、以下のような組み合わせがあります。

  • USD/JPY(米ドル/円): 日本の投資家にとって最も馴染み深い通貨ペア。
  • EUR/USD(ユーロ/米ドル): 世界で最も取引量が多い通貨ペア。
  • EUR/JPY(ユーロ/円): ユーロと日本円の組み合わせ。
  • GBP/JPY(ポンド/円): イギリスポンドと日本円の組み合わせ。

FXでは、基本的にこの通貨ペアの為替レートの変動を予測して取引を行います。

例えば、「米ドル/円」を買うということは、「円を売って米ドルを買う」ことを意味し、今後、円に対して米ドルの価値が上がると予測する場合に行います。

投資対象が通貨に限定されている点が、CFDとの大きな違いです。

1.2 レバレッジの違い

レバレッジとは、「てこの原理」のように、少ない資金(証拠金)で大きな金額の取引ができる仕組みのことです。

CFDとFXは、どちらもレバレッジを利用できますが、その上限には違いがあります。

レバレッジは、資金効率を高め、少ない値動きでも大きな利益を狙える可能性がある一方、損失が拡大するリスクも同様に高まります。

レバレッジの管理は非常に重要です。

(1) CFD:商品や銘柄により異なり、5倍~50倍程度。

CFDのレバレッジは、投資対象となる資産(原資産)の種類によって異なります。

これは、それぞれの資産が持つ価格変動リスクの違いを反映しているためです。

日本の証券会社が提供するCFDの一般的なレバレッジ倍率は以下のようになっています。(※証券会社により異なります)

  • 株式CFD: 個別株は値動きが大きくなる可能性があるため、レバレッジは比較的低めの5倍程度に設定されていることが多いです。
  • 株価指数CFD: 日経225やNYダウなどは、個別株よりは値動きがマイルドな傾向があるため、10倍程度が一般的です。
  • 商品CFD: 原油や金などは、市場の状況によって大きく変動することもあるため、20倍程度が多いようです。
  • 一部の通貨関連CFDなど: 最大で20倍~50倍程度のレバレッジが設定されている場合もありますが、利用可能な銘柄は限られます。

このように、CFDでは取引する銘柄ごとにレバレッジが異なるため、取引前に必ず確認する必要があります。

銘柄に応じたリスク管理が求められます。

(2) FX:日本国内の個人取引では最大25倍に制限。

一方、FXの場合、日本の金融商品取引法に基づき、個人投資家向けの店頭FX取引における最大レバレッジは、全ての通貨ペアで一律25倍までと定められています。

これは、過去に高レバレッジ取引で大きな損失を被る投資家が相次いだことから、投資家保護の観点から導入された規制です。

例えば、10万円の証拠金があれば、最大で250万円分(10万円 × 25倍)の取引が可能になります。

レバレッジの上限が明確に決まっているため、CFDに比べると分かりやすいと言えるかもしれません。

ただし、25倍でも十分に高いレバレッジであり、リスク管理の重要性は変わりません。

1.3 取引時間の違い

CFDとFXは、どちらも取引時間が長いという特徴がありますが、その詳細は異なります。

(1) CFD:銘柄ごとに異なるが、ほぼ24時間取引可能。

CFDの取引時間は、投資対象となる原資産の市場が開いている時間に連動します。

そのため、銘柄によって取引できる時間帯が異なります。

  • 世界の株価指数(NYダウ、ナスダックなど)や商品(原油、金など): これらの市場は世界中で取引されているため、CFDもほぼ24時間(土日を除く平日)取引可能です。FXに近い感覚で、いつでも取引チャンスを探せます。
  • 日本の株価指数(日経225など): 原市場である東京証券取引所の取引時間(前場9:00~11:30、後場12:30~15:00)を中心に、証券会社によってはそれ以外の時間帯(夜間など)も取引可能な場合がありますが、流動性(取引の活発さ)は低下する傾向があります。コアな取引時間は日中となります。
  • 日本の個別株CFD: 基本的に東京証券取引所の取引時間(9:00~11:30、12:30~15:00)に準じます。時間外取引を提供している場合もありますが限定的です。
  • 米国の個別株CFD: 米国市場の取引時間(日本時間で夜間~早朝)に合わせて取引できます。

このように、CFDでは取引したい銘柄に合わせて活動する時間帯を選ぶ必要があります。

日中に日本の市場を取引したい、夜間に米国の市場を取引したいなど、ライフスタイルに合わせて銘柄を選ぶことも可能です。

(2) FX:平日24時間取引可能(例:月曜7:00~土曜7:00)。

FX市場は、ニュージーランドのウェリントン市場から始まり、シドニー、東京、ロンドン、ニューヨークへと、世界の主要な市場が次々に開いていくため、平日(月曜早朝から土曜早朝まで)はほぼ24時間、どこかの市場が開いており、取引が可能です。

(※具体的な開始・終了時間は証券会社やサマータイムにより若干変動します。多くの日本のFX会社では、月曜日の午前7時頃から土曜日の午前7時頃まで取引できますが、途中で短いメンテナンス時間が入ることがあります。)

日中仕事をしている方でも、夜間や早朝に取引できるため、時間的な制約が少ないのが大きなメリットです。

いつでも世界の経済ニュースに反応して取引できる柔軟性があります。

1.4 取引単位の違い

取引を始めるにあたって、最低限どれくらいの数量から取引できるかを示すのが「取引単位」です。これもCFDとFXで異なります。

(1) CFD:銘柄ごとに異なる。例:日本225はCFD価格の10倍。

CFDの取引単位は、銘柄ごとに大きく異なります。「ロット」や「枚」といった単位で表されることが多いですが、その1単位が示す価値は様々です。

  • 株価指数CFD(例:日経225): 多くの証券会社では、CFD価格の10倍や100倍を1単位(1枚)としています。例えば、日経225CFDの価格が30,000円で、取引単位が価格の10倍の場合、1枚の取引価値は300,000円となり、価格が1円動くと損益も10円変動します。
  • 商品CFD(例:原油): 原油なら「バレル」、金なら「オンス」といった原資産の単位に基づいて設定されます。
  • 株式CFD: 通常、1株や10株を1単位として取引されます。

CFD取引を行う際は、必ず取引したい銘柄の「取引要綱」や「契約仕様」を確認し、1単位あたりどれくらいの価値があり、最低どれくらいの証拠金が必要になるのかを把握することが重要です。

(2) FX:通常1ロット=10,000通貨。最小取引単位は1,000通貨など。

FXの取引単位は、比較的標準化されています。多くのFX会社では、1ロット(Lot)=10,000通貨を基本単位としています。

例えば、米ドル/円を1ロット取引する場合、10,000米ドル分の取引を行うことになります。

ただし、近年は投資初心者向けに、より少ない単位から取引できるサービスが増えています。

  • **ミニ取引(0.1ロット):**1,000通貨単位での取引。
  • **マイクロ取引(0.01ロット):**100通貨単位での取引。
  • さらに少ない1通貨単位から取引できるFX会社もあります。

これらの少額取引サービスにより、FXは数千円程度の少ない資金からでも始めやすくなっています。

CFDと比較して、特に少額から始めたい場合には、FXの方がハードルが低いと言えるでしょう。

1.5 決済期限の有無

保有しているポジション(買い建てまたは売り建てしている状態)をいつまでに決済しなければならないか、という期限の有無です。

(1) CFD:決済期限なし。ポジションの保持期間に制限なし。

一般的なCFD(株価指数、商品、株式など)には、先物取引のような決済期限(満期日)がありません。

そのため、理論上は、証拠金が維持されている限り、数日、数週間、数ヶ月、あるいはそれ以上、ポジションを保有し続けることが可能です。

短期的なデイトレードから、長期的な視点での投資まで、戦略に合わせて保有期間を自由に決められます。

(2) FX:決済期限なし。ポジションの保持期間に制限なし。

FX(スポット取引、いわゆる通常のFX)にも、CFDと同様に決済期限はありません。

ポジションは日々自動的に翌営業日へ繰り越され(ロールオーバー)、保有し続けることができます。

【注意点:オーバーナイトコスト】

ただし、CFD・FXともに決済期限がないとはいえ、ポジションを翌日に持ち越す場合(オーバーナイト)、金利差調整額が発生します。

  • CFDの場合: 「オーバーナイト金利」や「ファンディングコスト」、「金利調整額」などと呼ばれます。買いポジションか売りポジションか、また対象資産の金利状況によって、支払い(コスト)になることもあれば、受け取り(収益)になることもあります。
  • FXの場合: 「スワップポイント」と呼ばれます。取引する通貨ペア間の金利差によって発生し、ポジションを持ち越すたびに、受け取りまたは支払いが生じます。低金利通貨を売って高金利通貨を買うポジションを保有していると、スワップポイントを受け取れる場合があります。

長期でポジションを保有する場合は、これらのオーバーナイトコスト(または収益)が損益に影響を与えるため、注意が必要です。

1.6 税制上の取り扱い

CFDとFXで得た利益にかかる税金については、日本では同じルールが適用されます。

(1) CFD・FX共通:雑所得として申告分離課税(税率20.315%)。損益通算が可能。

個人投資家がCFD取引やFX取引で得た利益は、税法上「雑所得」に分類されます。

そして、その課税方式は「申告分離課税」となります。

これは、給与所得や事業所得など他の所得とは合算せず、CFD・FXの利益だけで独立して税金を計算する方式です。

税率は、所得の金額にかかわらず一律で20.315%です。

内訳は以下の通りです。

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:0.315% (所得税額の2.1%)

【重要なポイント:損益通算と繰越控除】

CFDとFXは、どちらも「先物取引に係る雑所得等」として同じカテゴリーに分類されるため、税制上のメリットがあります。

  • 損益通算: 同じ年の中で、もしCFDで利益が出てFXで損失が出た場合(またはその逆の場合)、利益と損失を相殺して、全体の利益に対してのみ税金を計算することができます。これにより、税負担を軽減できる可能性があります。
  • 繰越控除: 年間の損益を通算してもなお損失が残った場合、確定申告を行うことで、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来のCFD・FXの利益から控除することができます。

この税制上の扱いの共通性は、CFDとFXの両方を取引する投資家にとって、税務管理を簡素化し、ポートフォリオ全体での税効率を高める上で有利な点です。

2. CFDとFXの共通点

これまで違いを中心に見てきましたが、CFDとFXには多くの共通点もあります。

これらの共通点を理解することも、どちらを選ぶかを考える上で役立ちます。

2.1 レバレッジ取引が可能

CFDとFXの最も顕著な共通点は、レバレッジを利用した証拠金取引であることです。

少ない資金で大きな取引ができるため、資金効率が良いというメリットがあります。

例えば、レバレッジ25倍なら、4万円の証拠金で100万円分の取引が可能です。

しかし、これは同時に、少ない資金で大きな損失を被るリスクもあることを意味します。

相場が予想と反対に動いた場合、損失もレバレッジ倍率に応じて拡大し、場合によっては預けた証拠金以上の損失が発生する可能性(追証リスク)もあります。

(※多くの業者ではロスカットルールやゼロカットシステム(追証なし)を導入していますが、急激な相場変動時には機能しないリスクもゼロではありません。)

したがって、CFD・FXのどちらを取引する場合でも、リスク管理(損切り設定、余裕を持った資金管理など)が極めて重要になります。

2.2 売りからの取引が可能

通常の株式投資(現物取引)では、基本的に「安く買って高く売る」ことで利益を目指しますが、CFDとFXでは、「高く売って安く買い戻す」、つまり「売り」から取引を始めること(空売り)が可能です。

これは、相場が下落すると予想される局面でも利益を狙えることを意味します。

例えば、ある株価指数が今後下がると考えるなら、その株価指数のCFDを「売り」で新規に建て、予想通り価格が下がったところで買い戻せば、その差額が利益となります。

FXでも同様に、例えば米ドル/円が下がると予想すれば、米ドルを売って円を買うポジションから取引を始めることができます。

上昇局面でも下落局面でも利益を追求できるこの柔軟性は、CFDとFXに共通する大きな魅力の一つです。

2.3 ほぼ24時間取引可能

前述の通り、取引時間に違いはあるものの、FXは平日ほぼ24時間、CFDも主要な銘柄(世界の株価指数や商品など)はほぼ24時間取引が可能です。

これは、日中忙しい会社員の方や主婦の方でも、自分の都合の良い時間帯(早朝、夜間など)に取引できるというメリットがあります。

また、海外市場の動向や経済指標の発表など、世界のニュースにリアルタイムで対応した取引がしやすい点も共通しています。

ただし、取引時間帯によっては市場参加者が少なくなり、流動性が低下してスプレッド(売値と買値の差)が広がりやすくなる場合がある点には注意が必要です。

2.4 決済期限がない

CFD(一般的なもの)とFX(スポット取引)には、先物取引のような決済期限(満期日)がありません。これは、ポジションの保有期間に制限がないことを意味します。

数秒・数分で取引を完結させるスキャルピング、1日のうちに決済するデイトレード、数日から数週間保有するスイングトレード、さらに長期で保有するポジショントレードまで、自分の投資戦略や相場観に合わせて、柔軟に保有期間を設定できます。

ただし、前述の通り、ポジションを翌日に持ち越す場合にはオーバーナイトコスト(CFDの金利調整額やFXのスワップポイント)が発生するため、特に長期保有を考える場合は、これらのコストを考慮に入れる必要があります。

2.5 税制上の損益通算が可能

これも重要な共通点です。CFD取引とFX取引で発生した損益は、同じ「先物取引に係る雑所得等」として扱われるため、確定申告の際に損益を通算することができます。

例えば、ある年にCFDで100万円の利益が出て、FXで30万円の損失が出たとします。

この場合、損益通算により、課税対象となる所得は100万円 – 30万円 = 70万円となります。

もし損益通算ができなければ、CFDの利益100万円に対して税金がかかってしまいますが、損益通算によって税負担を軽減できます。

さらに、年間の損益を通算した結果、損失の方が大きくなった場合は、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来のCFDやFXの利益と相殺することも可能です(繰越控除)。

これは、長期的な視点で投資を続ける上で非常に有利な制度と言えるでしょう。

3. CFDとFXの選び方

CFDとFXの基本的な違いと共通点を理解した上で、「では、自分にはどちらが向いているのだろう?」と考える方も多いでしょう。

ここでは、それぞれの取引がどのようなタイプの投資家に適しているかの目安を解説します。

3.1 CFDが向いている投資家

以下のような考えや興味を持つ方は、CFDが向いている可能性があります。

(1) 多様な資産に分散投資したい方

一つの市場だけでなく、株価指数、商品(コモディティ)、個別株(国内外)、ETFなど、様々な種類の資産に投資してリスクを分散させたい方。CFDなら、一つのプラットフォームでこれらを実現できます。ポートフォリオの多様化に関心がある方には魅力的でしょう。

(2) 株価指数や商品など、為替以外の市場に興味がある方

普段から日経平均やNYダウのニュースを気にしている、原油価格や金価格の動向に関心がある、特定の応援したい企業や成長を期待する企業の株価に投資したいなど、外国為替(FX)以外の具体的な市場や資産の値動きに投資したいと考えている方。

CFDは、これらの市場に直接アクセスする手段を提供します。

(3) 市場の下落局面でも利益を狙いたい方

これはFXにも共通しますが、CFDでは特定の個別株や特定の国の株価指数に対して「売り」から入ることで、よりピンポイントな下落予想に基づいた取引が可能です。

経済全体や特定のセクターに対する弱気な見通しを利益に変えたいと考える方にも適しています。

(4) 銘柄ごとに異なるレバレッジを活用したい方

取引する資産のリスク特性に合わせて、レバレッジを使い分けたいと考える方。

例えば、比較的安定していると考える株価指数には高めのレバレッジを、値動きが大きいと考える個別株には低めのレバレッジを、といった戦略的な使い分けが可能です。(※ただしリスク管理は必須です)

3.2 FXが向いている投資家

以下のような考えや興味を持つ方は、FXが向いている可能性があります。

(1) 為替市場に特化した投資を行いたい方

世界の経済動向、各国の金融政策(特に中央銀行の利上げ・利下げ)、政治情勢などが通貨の価値にどう影響するかに強い興味があり、為替レートの変動を予測することに集中したい方。FXは、まさにそのための市場です。

(2) 高い流動性と狭いスプレッドを重視する方

特に米ドル/円やユーロ/米ドルといった主要通貨ペアは、世界中で非常に多くの取引が行われているため、流動性が極めて高いのが特徴です。

これにより、一般的に売値と買値の差である「スプレッド」が非常に狭く抑えられており、取引コストを低くしたいと考える短期トレーダーや、大きな金額を取引したい方にとって有利です。(※ただし、経済指標発表時など相場急変時にはスプレッドが拡大することもあります。)

(3) 通貨のファンダメンタルズ分析に基づく取引を行いたい方

各国の経済指標(GDP成長率、インフレ率、失業率など)や金融政策(政策金利の変更など)を分析し、それに基づいて中長期的な通貨の方向性を予測する「ファンダメンタルズ分析」を重視する方。

FXは、このようなマクロ経済分析が直接活かせる市場です。

(4) シンプルな仕組みと統一されたルールを好む方

投資対象が通貨ペアに限定されており、レバレッジも国内個人は最大25倍と一律で決まっているため、CFDのように銘柄ごとに取引条件を確認する必要が少なく、比較的シンプルなルールの中で取引を始めたいと考える方。

4. CFDとFXの比較表

これまでの内容をまとめた比較表です。

CFDとFXの主な違いと共通点を一覧で確認できます。

項目CFDFX
投資対象株価指数、商品、株式、ETFなど多様通貨ペア
レバレッジ銘柄により異なる(例: 5倍~50倍)最大25倍(日本国内の個人取引)
取引時間銘柄により異なるが、ほぼ24時間取引可能平日ほぼ24時間取引可能
取引単位銘柄ごとに異なる通常1ロット=10,000通貨(少額単位あり)
決済期限なしなし
税制雑所得・申告分離課税(税率20.315%)雑所得・申告分離課税(税率20.315%)
売りからの取引可能可能
損益通算可能(FX等との間で)可能(CFD等との間で)

この表は、両者の特徴を素早く比較検討するのに役立ちます。

ご自身が重視する項目(投資対象の広さ、レバレッジの大きさ、取引のシンプルさなど)に注目して、どちらがより自分のスタイルに合っているか考えてみてください。

まとめ

今回は、「CFDとFXの違い」をテーマに、それぞれの基本的な仕組み、違いと共通点、そして選び方のポイントについて解説しました。

CFDは、株価指数、商品、個別株など、非常に幅広い資産に投資できるのが最大の魅力です。

レバレッジは銘柄によって異なりますが、多様な市場の値動きを捉えたい方に向いています。

一方、FXは、通貨ペアの為替レート変動に特化した取引です。

レバレッジは国内個人では最大25倍に固定されており、平日ほぼ24時間取引可能で流動性が高いのが特徴です。世界の経済や金融政策に関心が高い方に適しています。

両者に共通するのは、レバレッジを利用できること、売りからも取引を始められること、取引時間が長いこと、決済期限がないこと、そして税制面で損益通算が可能であることです。

どちらの取引が「優れている」ということはありません。大切なのは、それぞれの特徴を正しく理解し、ご自身の興味・関心、投資スタイル、リスク許容度に合ったものを選ぶことです。

CFDもFXもレバレッジ取引であるため、大きなリターンを期待できる反面、相応のリスクも伴います。取引を始める前には、必ずリスクについて十分に理解し、まずは少額から、あるいはデモ口座などを活用して練習することをお勧めします。

多くの証券会社やFX会社では、CFDとFXの両方、またはどちらかを提供しており、口座開設に関する情報や学習コンテンツも充実しています。

ご自身の興味やスタイルに合った取引を始めるために、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

鬼河原

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

ミニCFD GMOクリック証券

※CFD:差金決済取引

この記事を書いた人

塚越ヒロのアバター 塚越ヒロ デジタルテレワーカー

IT企業勤務の投資家。        
このブログでは、CFD(差金決済取引)を中心に、株式投資で得た知識や体験を発信します。
【株式投資歴2年】ミニCFDで資産形成中。   
【ミニCFDの魅力】少額で投資の勉強ができる。 
 ミニCFD(数百円)から実力をつけて、CFDにステップアップ。           

目次