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初心者向け【CFDとETFの違いを徹底解説】あなたに合う投資はどっち?

CFDとETF、どちらが自分に合っているか迷っていませんか?

この記事では、株式投資を始めたい初心者の方に向けて、CFDとETFの違いを分かりやすく解説します。

24時間取引やレバレッジが魅力のCFD、長期的な資産形成に向いているETF。

それぞれのメリット・デメリットを知ることで、あなたの投資スタイルに合った選択ができるようになります。

この記事を読めば、投資の悩みが解消され、一歩踏み出す勇気が湧いてくるでしょう。

目次

1. CFDとETFの基本概要

CFD(差金決済取引)とETF(上場投資信託)は、どちらも人気の金融商品ですが、その仕組みや特徴は大きく異なります。
このセクションでは、まずCFDがどのような取引で、何を対象に投資できるのかを解説します。
次に、ETFが投資信託の一種でありながら株式のように取引所で売買出来る点や、どのような指数に連動するのか、その基本的な仕組みを分かりやすく説明します。
これらの基本を理解することが、両者の違いを深く知るための第一歩です。

1.1 CFDとは?(差金決済取引の仕組み・対象資産)

CFDは「Contract for Difference」の略で、日本語では差金決済取引と言います。

これは、株式や商品といった金融資産そのものを実際に保有するのではなく、売買した時の価格差だけをやり取りする取引です。

例えば、ある株価指数のCFDを買い、価格が上昇した後に売れば、その差額が利益になります。

反対に、価格が下がれば損失が発生します。

実は、FX(外国為替証拠金取引)もCFD取引の一種なのです。

CFDの大きな魅力の一つは、非常に幅広い資産に投資出来る点です。

具体的には、以下のようなものが対象となります。

  • 国内外の株価指数(例:日経平均、NYダウ、S&P500)
  • 個別株式(国内外の有名企業など)
  • 商品(コモディティ)(例:金、原油、とうもろこし)
  • 債券
  • ETF自体もCFDの取引対象になる場合があります。

初心者の方にとっては、CFDは「現物を持たずに、値動きにだけ投資する」と覚えると分かりやすいでしょう。

対象資産が多岐にわたるため、一見すると何にでも手軽に投資できるように感じるかもしれません。

しかし、株式市場、商品市場、株価指数など、それぞれの市場には独自の価格変動要因が存在します。

例えば、株価指数は経済全体の動きに、個別株は企業の業績に、そして商品は天候や国際情勢による需給バランスに影響を受けます。

これらの背景知識なしに多様なCFD商品に手を出すと、予期せぬ値動きに戸惑い、損失を被る恐れもあります。

そのため、投資対象の広さはメリットであると同時に、それぞれの特性をよく理解してから取引を始める心構えが求められます。

CFDって、株とか金とか、色々なものに投資できるんだね。でも「差金決済」ってちょっと難しいな。実際に物を持たないで取引するってこと?
そうそう。例えばリンゴの値段が上がると思ったら、リンゴそのものを買わなくても、CFDで「リンゴの値段が上がったら利益が出る」っていう契約をするイメージだよ。
その通り。CFDの核心は「現物の受け渡しをせず、売買価格の差額のみを決済する」点です。これにより、多様な資産の値動きを手軽に取引対象に出来るのです。

1.2 ETFとは?(投資信託型上場商品・対象指数)

ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では上場投資信託と言います。

これは、日経平均株価やTOPIX、アメリカのS&P500といった特定の指数に連動する運用成果を目指す投資信託の一種です。

投資信託でありながら、株式と同じように証券取引所に上場している点が大きな特徴です。

そのため、取引所の取引時間中であれば、株式のようにリアルタイムで売買が出来ます。

一般的な投資信託は、1日に1回公表される基準価額で取引が行われます。

しかし、ETFの価格は株式と同様に、市場での需要と供給のバランスによって変動します。

ETFが連動を目指す対象は様々です。

代表的なものには、以下のような指数や資産があります。

  • 株価指数(例:日経平均株価、TOPIX、S&P500)
  • 債券指数
  • REIT(不動産投資信託)指数
  • コモディティ価格(例:金価格、原油価格)

初心者の方にとっては、ETFは「株と同じように売買出来る、色々なものが入った詰め合わせパック(投資信託)」と考えると分かりやすいでしょう。

大きな魅力は、一つのETFを購入するだけで、そのETFが対象とする指数に含まれる多くの銘柄に自動的に分散投資が出来る点です。

例えば、日経平均株価に連動するETFを買うと、日経平均を構成する225社に少しずつ投資しているのと同じような効果が得られます。

この手軽さから、初心者の方でも簡単に分散投資を始められます。

しかし、「株式のように手軽に分散投資できる」という魅力の裏には、注意点もあります。

それは、連動対象となる「指数」の構成内容や特性を理解しておく必要があるという点です。

例えば、同じ日本の株価指数でも、日経平均株価は構成銘柄の株価が高い企業の動きに影響されやすく、TOPIX(東証株価指数)は全ての日本株の時価総額を元に計算されるため、市場全体の動きをより反映しやすいといった違いがあります。

また、特定の業種に偏った指数や、新興国の指数など、リスクの特性が異なる様々な指数が存在します。

「手軽だから」と安易に選ぶのではなく、そのETFがどんな指数に連動し、どのような特徴を持つのかを理解することが、ETF投資で成功するための鍵となるでしょう。

ETFは、株みたいに買える投資信託なんだね!日経平均とかS&P500とか、ニュースでよく聞くものに投資できるのは分かりやすいかも。
そうなの。一つのETFを買うだけで、たくさんの会社に少しずつ投資しているのと同じような効果があるから、手軽に分散投資を始められるのが魅力よ。
ETFの本質は「指数への連動」と「市場での売買の利便性」です。これにより、個人投資家でも機関投資家のような分散ポートフォリオを比較的容易に構築出来るのです。

2. 取引構造の違い

CFDとETFは、その取引の仕組みに大きな違いがあります。
ここでは、実際に売買する方法が差金決済か現物保有かという根本的な違いから解説します。
また、投資の効率やリスクに直結するレバレッジの有無や倍率、相場が下落した時に利益を狙えるショートポジションの可否、そして取引出来る市場や時間帯の違いについて、それぞれ具体的に比較しながら分かりやすく説明します。
これらの違いを理解することで、どちらが自分の取引スタイルに合うかが見えてきます。

2.1 売買方法の違い(差金決済 vs 現物保有)

CFDとETFでは、売買の方法に根本的な違いがあります。

CFDの売買方法は、差金決済取引です。

これは、投資対象となる株価指数や商品などの現物を実際に受け渡しすることなく、売買から生じた利益や損失の差額だけをやり取りする取引方法です。

取引を始める際には、証拠金と呼ばれる担保のような資金を預け入れます。

そして、取引を終了する時に利益が出ていればその差額を受け取り、損失が出ていれば差額を支払うことになります。

一方、ETFの売買方法は、基本的には現物保有となります。

ETFは株式と同じように証券取引所で購入し、投資家はそのETFの持分である受益証券を実際に保有します。

売却する際には、その時点の市場価格で売り、売買差益(または差損)と購入時の手数料などを差し引いた金額が手元に残る形です。

ただし、ETFも信用取引という方法を使えば、現物を保有せずに売買することも可能です。

初心者の方にとっては、CFDは「権利」を売買するようなイメージ、ETFは「商品そのもの(の持分)」を売買するイメージと捉えると分かりやすいかもしれません。

現物を保有しないCFDは、少ない資金からでも始めやすいという側面があります。

それに対して、ETFの現物保有は、実際に資産を「持っている」という実感が得られ、安心感を覚える方もいるでしょう。

この「現物を持っているかどうか」という違いは、投資家の心理にも影響を与えることがあります。

ETFのように実際に資産を保有すると、「自分の資産である」という所有感が生まれます。

この所有感は、価格が一時的に下落したとしても、「いずれ価値は戻るだろう」と長期的な視点で保有し続ける動機付けになりやすい傾向があります。

一方で、CFDのような差金決済取引は、あくまで価格変動に対する取引であり、特にレバレッジが絡むと短期的な価格の動きで損益が大きく変動します。

そのため、精神的なプレッシャーから短期的な判断に偏りやすいかもしれません。

このように、売買方法の違いが、無意識のうちに投資期間や戦略の選択に影響を与える可能性がある点を心に留めておくと良いでしょう。

CFDは現物を持たないで、ETFは株みたいに実際に持つってことか。なんとなくETFの方が安心感があるような気がするけど、どうなんだろう。
そうだね、ETFは実際に投資信託の口数を持つから、持っている実感があるわね。CFDはあくまで「価格の差額」を取引するから、よりシンプルに値動きだけを追う感じかしら。
売買方法の違いは、投資家の心理やリスク管理にも影響します。現物保有のETFは長期的な視点を持ちやすい一方、差金決済のCFDは短期的な価格変動を捉える機動性が求められます。

2.2 レバレッジの可否と倍率

CFDとETFでは、レバレッジという仕組みを使えるかどうか、また使える場合の倍率に違いがあります。

CFD取引の大きな特徴の一つが、レバレッジを利用出来ることです。

レバレッジとは「てこの原理」のことで、少ない証拠金(担保として預けるお金)で、その何倍もの金額の取引が可能になる仕組みです。

例えば、10万円の証拠金で10倍のレバレッジをかければ、100万円分の取引が出来るようになります。

CFDのレバレッジ倍率は、取引するCFDの種類や取り扱う証券会社によって異なります。

一般的には、以下のようになっています。

対象資産レバレッジ倍率の例
株価指数CFD10倍程度
商品CFD(金など)20倍程度
株式CFD5倍程度

これにより、投資効率を高めることが期待出来ます。

一方、通常のETFの現物取引では、原則としてレバレッジはかかりません

投資した金額以上の取引は出来ないのが基本です。

しかし、ETFでも実質的にレバレッジをかけた取引を行う方法がいくつかあります。

一つは、株式と同様に信用取引を利用する方法です。

日本の株式信用取引の場合、最大で約3.3倍のレバレッジをかけた取引が可能です。

もう一つは、ETF自体に最初からレバレッジ効果が組み込まれている「レバレッジ型ETF」を利用する方法です。

例えば、「指数の値動きの2倍を目指す」といった商品があり、これを購入すると、特別な手続きなしにレバレッジをかけた投資が出来ます。

レバレッジは、少ない資金で大きな利益を狙える可能性がある一方で、損失も同様に大きくなるリスクがある「諸刃の剣」です。

CFDの高いレバレッジは確かに魅力的ですが、その分リスクも高まるため、しっかりとしたリスク管理が不可欠です。

初心者の方は、CFDの高いレバレッジ倍率に目を奪われがちかもしれません。

しかし、ETFの信用取引やレバレッジ型ETFも、実質的にはレバレッジをかけた取引であり、リスクの性質には共通する部分が多くあります。

特にレバレッジ型ETFは、日々の値動きに対して一定の倍率で連動するように設計されているため、相場が上がったり下がったりを繰り返すような状況では、複利効果によって思わぬ形で基準価額と指数の動きがずれてしまうことがあります。

これは、CFDの証拠金取引における追証リスクとはまた異なる、レバレッジ型ETF特有のリスクと言えるでしょう。

どちらの方法でレバレッジを利用するにしても、その仕組みとリスクを十分に理解することが求められます。

CFDってレバレッジがすごいんだね!10倍とか20倍とか…。少ないお金で大きな取引ができるのは魅力だけど、ちょっと怖い気もする。ETFはレバレッジないの?
普通のETFはレバレッジなしで、持っているお金の分だけ投資するわ。でも、ETFにも信用取引を使ったり、「レバレッジ型」っていう最初からレバレッジがかかっているタイプもあるのよ。
レバレッジは資金効率を高めますが、リスクも同様に増大させます。CFDの高いレバレッジは短期的な大きなリターンを狙える一方、ETFのレバレッジ(信用取引やレバレッジ型商品)はより慎重な活用が求められます。

2.3 ショートポジションの可否

相場が下落する局面でも利益を狙える「ショートポジション(売りポジション)」を取れるかどうかは、CFDとETFで異なります。

CFD取引では、「売り」から取引を始めること、つまりショートポジションを持つことが容易に出来ます

これは、将来的に価格が下がると予想した場合に、先に高い価格で売っておき、実際に価格が下がった後に買い戻すことで、その差額を利益として得る戦略です。

CFDは現物を保有しない差金決済取引であるため、株式の空売りのような複雑な手続きや制約が比較的少ないのが特徴です。

一方、通常のETFの現物取引では、原則として「買い」からしか取引に入れません

つまり、価格が上昇することを期待して購入するのが基本です。

しかし、ETFでもショートポジションを持つ方法が全くないわけではありません。

一つは、株式と同様に信用取引を利用する方法です。

証券会社で信用取引口座を開設し、保証金を預けることで、ETFを借りて売る「空売り」が可能です。

もう一つは、「インバース型ETF」(ベア型ETFとも呼ばれます)を活用する方法です。

インバース型ETFは、対象とする指数が下落すると、逆にETFの価格が上昇するように設計された特殊な商品です。

これを購入することで、実質的にショートポジションを持つのと同様の効果を期待出来ます。

ショートポジションは、相場が下落している時でも利益を出すチャンスがある魅力的な取引方法です。

CFDであれば手軽にショート戦略を取ることが出来ます。

ETFで同様の効果を得たい場合は、信用取引の口座開設や手続き、またはインバース型ETFという商品の特性を理解する必要があります。

CFDは構造上、売りからの取引が非常にシンプルに行えます。

これに対して、ETFで実質的なショート効果を得るためには、いくつかのハードルがあります。

例えば、信用取引を利用する場合、金利や貸株料といったコストがかかるほか、追証のリスクも伴います。

また、インバース型ETF、特にレバレッジがかかっているタイプ(例:指数が1%下がると2%上がることを目指すもの)は、長期間保有すると、日々の値動きの複利効果によって、基準価額と指数の動きが大きくずれてしまう「減価」という現象が起きやすい特性を持っています。

初心者がこれらの複雑な仕組みやリスクを十分に理解しないままETFでショート戦略を試みると、予期せぬコスト負担や損失を被る可能性があります。

CFDのショートの「手軽さ」とは対照的に、ETFでのショートにはより深い知識と注意が求められると言えるでしょう。

CFDだと「売り」からも取引できるんだ!相場が下がりそうな時でも利益を狙えるってことだよね?ETFはできないの?
普通のETFは「買い」から入るのが基本よ。でも、信用取引っていう方法を使えばETFも売れるし、「インバース型」っていう、指数が下がると値段が上がる特殊なETFもあるの。
CFDは価格の下落局面でも利益を追求しやすいのが特徴です。ETFで同様の効果を得るには信用取引やインバース型商品という選択肢がありますが、それぞれ特有の仕組みと注意点を理解する必要があります。

2.4 取引市場・取引時間の違い

CFDとETFでは、取引が行われる市場や取引出来る時間帯にも違いがあります。

CFDの取引は、主に「店頭取引(OTC取引)」という形で行われます。

これは、投資家とCFDのサービスを提供する証券会社との間で直接行われる相対取引です。

一部には、日本の「くりっく株365」のように、取引所に上場されているCFDも存在します。

CFDの大きな特徴として、銘柄にもよりますが、原則としてほぼ24時間取引が可能な点があげられます。

これは、CFDが世界中の様々な市場(株式市場、商品市場など)の価格を参照して値付けされているためです。

例えば、日本の代表的な株価指数である日経平均株価(日本225)に連動するCFDは、日本の株式市場が閉まっている夜間や早朝でも取引が出来ます。

ただし、対象となる原資産の市場が休場の日(例えば、参照する海外市場の祝日など)は、CFDも取引出来なくなる点には注意が必要です。

また、具体的な取引時間は、CFDの銘柄や取り扱う証券会社によって異なります。

一方、ETFは株式と同様に、証券取引所(例:東京証券取引所)に上場しています。

そのため、ETFの取引時間は、そのETFが上場している証券取引所の取引時間内に限定されます。

日本の証券取引所に上場しているETFの場合、基本的な取引時間は平日の午前9:00から11:30まで(前場)と、午後12:30から15:30まで(後場)です。

アメリカの市場に上場しているETF(米国ETF)など、海外のETFに投資する場合は、それぞれの現地の取引所の取引時間に従って売買することになります。

CFDは、日中お仕事などで忙しい方でも、夜間や早朝といったご自身の都合の良い時間に取引出来るチャンスがあるのが魅力と言えるでしょう。

対してETFは、日中の株式市場が開いている時間に集中して取引したいという方に向いています。

CFDの「ほぼ24時間取引可能」という点は、時間的な制約が少ないため、特に日中忙しいサラリーマン投資家などにとっては大きなメリットに感じられるかもしれません。

しかし、この利便性の裏には注意点も潜んでいます。

取引時間帯によっては、特にCFDの参照する原市場が閉まっている時間帯などでは、市場参加者が少なくなり流動性が低下することがあります。

流動性が低下すると、買値と売値の差であるスプレッドが通常よりも拡大したり、注文した価格と実際に約定する価格がずれるスリッページが発生しやすくなったりするリスクがあります。

一方で、ETFは取引時間が証券取引所の開いている時間に限定されますが、その時間内は多くの市場参加者が取引を行うため、比較的価格の透明性が高く、安定した流動性が期待出来ます。

つまり、CFDの「いつでも取引出来る」利便性と、ETFの「取引時間は限られるがその時間内の取引環境は比較的安定している」という特性は、一種のトレードオフの関係にあると言えるでしょう。

CFDって夜中でも取引できるんだ!仕事が終わってからでもできるのは嬉しいな。ETFは株と一緒の時間なんだね。
そうなの。CFDは世界中の市場の動きに合わせて取引できるから時間が長いのが特徴ね。ETFは日本の証券取引所が開いている時間、つまり平日の昼間が中心よ。
取引時間の長さはCFDの大きな利点ですが、流動性が低い時間帯の取引には注意が必要です。ETFは取引時間が限られますが、その分、市場参加者が多く価格の透明性が保たれやすいと言えます。

3. コスト比較

投資を行う上で無視出来ないのがコストです。
CFDとETFでは、かかるコストの種類や仕組みが異なります。
このセクションでは、まず取引ごとにかかる売買コストとして、CFDのスプレッドやETFの売買手数料について比較します。
次に、ポジションを保有し続けることで発生する保有コスト、具体的にはETFの信託報酬(管理費用)やCFDの金利調整額などを解説します。
最後に、利益が出た場合の税金や課税されるタイミングの違いについても触れ、トータルでかかるコストを理解する手助けをします。

3.1 売買コスト(スプレッド・手数料)

CFDとETFの取引では、売買時にかかるコストに違いがあります。

CFDの主な取引コストは、「スプレッド」です。

スプレッドとは、金融商品を買う時の価格(Ask)と売る時の価格(Bid)の差額のことを指します。

この差額が、投資家にとって実質的な取引手数料となります。

多くの証券会社では、CFDの取引手数料自体は無料としている場合が多いですが、その代わりにスプレッドが存在する形です。

スプレッドの幅は、取引するCFDの銘柄、取り扱う証券会社、そして市場の流動性(取引の活発さ)によって変動します。

市場が急に動いた時や、早朝など取引参加者が少ない時間帯には、スプレッドが広がりやすくなる傾向があります。

一方、ETFを証券取引所で売買する際には、株式と同様に売買手数料がかかるのが一般的です。

この売買手数料は、利用する証券会社や取引する金額によって異なります。

最近では、特定の条件を満たすと売買手数料が無料になる証券会社も増えてきています。

また、ETFも市場で売買される金融商品であるため、買値と売値の間にはスプレッドが存在します。

特に、取引量の少ない(流動性が低い)ETF銘柄では、このスプレッドが広くなることがあるため注意が必要です。

初心者の方にとっては、CFDの「手数料無料」という言葉は魅力的に聞こえるかもしれません。

しかし、実際にはスプレッドという形でコストを負担していることを理解しておく必要があります。

ETFは売買手数料がかかることが多いですが、証券会社や取引プランを選べば、このコストを抑えることも可能です。

特に、頻繁に取引を行うスタイルを考えている場合は、これらの売買コストが積み重なって収益に影響を与えるため、事前にしっかりと比較検討することが求められます。

CFDの「取引手数料無料」という表示は、一見するとコストが低いように見えます。

しかし、実質的なコストであるスプレッドは固定ではなく、市場の状況によって変動します。

特に、重要な経済指標の発表時や市場が不安定な時には、スプレッドが通常よりも大きく開くことがあり、これが予期せぬコスト増に繋がることもあります。

これに対して、ETFの売買手数料は、取引前に明示されているためコストを把握しやすいですが、スプレッドも考慮に入れる必要があります。

したがって、表面的な「手数料無料」という言葉だけに注目するのではなく、スプレッドの性質や、ETFの売買手数料とスプレッドを合わせたトータルコストで比較する視点が不可欠です。

CFDは取引手数料が無料って書いてあることが多いけど、スプレッドっていうのが実質の手数料なんだね。ETFは株みたいに売買手数料がかかるのか。
そうね。CFDはスプレッドが取引のたびにかかるコスト。ETFは証券会社によって手数料が違うから、よく比較するのがいいわね。最近は無料のところもあるみたいよ。
売買コストは、CFDではスプレッド、ETFでは売買手数料とスプレッドが主です。取引頻度が高い場合は、これらのコストが収益に大きく影響するため、慎重な比較が求められます。

3.2 保有コスト(管理費用・金利調整額)

CFDやETFを売買する時だけでなく、保有し続けることによってもコストが発生する場合があります。

CFDの主な保有コストには、まず「金利調整額」があります。

これは、CFDのポジション(買いや売りの持ち高)を翌営業日に持ち越す(ロールオーバーする)場合に発生することがある調整額です。

オーバーナイトコストやファンディングチャージと呼ばれることもあります。

FX取引におけるスワップポイントと似たようなものと考えると分かりやすいでしょう。

一般的に、買いポジションの場合は金利を支払い、売りポジションの場合は金利を受け取ることが多いですが、これは金利情勢や取引するCFDの銘柄によって異なります。

次に、「権利調整額」です。

これは、株式CFDや、ETFを参照する株価指数CFDなどを保有している場合に、原資産となる株式の配当金支払いに関連して発生する調整額です。

買いポジションを持っていれば配当金相当額を受け取り、売りポジションであれば支払うことになります。

さらに、原油CFDのように先物価格を参照するCFDでは、「価格調整額」が発生します。

これは、CFDが参照している先物には限月(取引期限)がありますが、CFD自体には限月がないため、参照する先物を期近のものから期先のものへ乗り換える(ロールオーバーする)際に生じる価格差を調整するためのものです。

この調整は理論的には損益に中立となるように設計されていますが、評価損益には一時的に影響が出ます。

一方、ETFの主な保有コストは、「信託報酬」(管理費用や経費率とも呼ばれます)です。

これは、ETFを保有している間、その運用管理の対価としてETFの純資産総額から日割りで差し引かれる費用です。

信託報酬は通常、「年率何%」という形で表示され、日々ETFの基準価額(ETFの純粋な価値)に反映されています。

一般的に、ETFの信託報酬は、上場していない通常の投資信託に比べて低く設定されている傾向があります。

最近では、信託報酬だけでなく、監査費用や指数ライセンス料など、その他の費用も含めた「総経費率(TER)」という指標で、ETFの実質的な年間コストを比較する考え方も重要視されるようになっています。

CFDは短期売買が中心であれば、金利調整額などの保有コストはあまり気にならないかもしれません。

しかし、長期間ポジションを持ち続ける場合には、これらのコストが日々積み重なっていくため注意が必要です。

ETFの場合は、信託報酬が低い銘柄を選ぶことで、長期保有にかかるコストを抑えることが出来ます。

保有期間が長くなるほど、コスト面ではETFが有利になる傾向があります。

CFDの金利調整額は日割りで発生するため、例えば1年間ポジションを持ち続けると、日々のコストが積み重なり、無視出来ない金額になる可能性があります。

これに対し、ETFの信託報酬も長期保有で影響しますが、一般的にCFDの金利コストと比較すると予測しやすく、低率なものが多いです。

そのため、短期的な売買を前提としない限り、CFDの保有コストはETFよりも重くなる可能性があり、投資期間がコスト構造の有利不利を左右する重要な要素となります。

コストの種類CFDETF
主なコスト金利調整額、権利調整額、価格調整額信託報酬(管理費用、経費率)
発生タイミング日々(持ち越し時)、権利発生時、限月乗り換え時など日々(基準価額に反映)
CFDを長く持っていると「金利調整額」っていうのがかかるんだね。ETFは「信託報酬」か。どっちが得なんだろう?
それは投資する期間によるわね。CFDの金利調整額は毎日かかるから、長く持つと結構な額になることもあるの。ETFの信託報酬は年率で決まっていて、比較的低いものが多いわ。
保有コストは、CFDでは金利調整額や権利調整額、ETFでは信託報酬が主です。短期売買ならCFDの保有コストは限定的ですが、中長期保有の場合はETFの低コスト性が有利になる傾向があります。

3.3 税金・課税タイミング

CFD取引やETF取引で利益が出た場合、税金がかかります。その仕組みや税率には違いがあります。

CFD取引で得た利益は、「先物取引に係る雑所得等」として扱われます。

これは、FX取引や日経225先物取引などと同じ区分です。

税金の計算方法は申告分離課税となり、給与所得など他の所得とは分けて税額が計算されます。

税率は、所得の金額にかかわらず一律20.315%です。

この内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%となっています。

CFD取引の損益は、同じ「先物取引に係る雑所得等」に区分される他の金融商品(例えばFX取引や商品先物取引)の損益と通算することが出来ます。

ただし、株式の売買で出た損益とは通算出来ません。

もし年間の取引で損失が出た場合は、確定申告を行うことで、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益から控除することが可能です。

CFD取引で利益が出た場合は、原則として確定申告が必要です。

ただし、会社員などの給与所得者で、CFDの利益を含む雑所得の合計額が年間20万円以下の場合には、所得税の確定申告が不要となるケースもあります。

しかし、損益通算や損失の繰越控除を利用したい場合には、利益額にかかわらず確定申告が必要です。

一方、ETFの税金は、株式の取引とほぼ同じように扱われます。

ETFを売却して得た利益(譲渡益)は、「譲渡所得」として申告分離課税の対象となり、税率はCFDと同じく20.315%です。

ETFから受け取る分配金は、「配当所得」として扱われます。

こちらも税率は原則として20.315%で、分配金が支払われる際に源泉徴収(税金が天引き)されるため、基本的に確定申告は不要です。

ただし、確定申告をして総合課税を選択し、配当控除という制度を利用することも出来ます。

ETFは、証券会社の「特定口座」で取引することが出来ます。

「源泉徴収あり」の特定口座を選んでおけば、証券会社が年間の損益を計算し、税金を自動的に納付してくれるため、原則として確定申告の手間がかかりません

ETFの譲渡損益は、上場株式や他の投資信託などの譲渡損益と通算することが出来ます。

また、損失が出た場合も、上場株式等と同様に翌年以降3年間、損失を繰り越して控除することが可能です(この場合は確定申告が必要です)。

さらに、ETFはNISA(少額投資非課税制度)の対象です。

NISA口座でETFを取引して得た譲渡益や分配金は、一定の投資枠内であれば非課税になります。

これは大きなメリットと言えるでしょう。

ただし、NISA口座で損失が出た場合、他の課税口座(特定口座や一般口座)の利益と損益通算することは出来ません。

また、海外に上場しているETFの分配金に対して現地で課税された外国税は、NISA口座では外国税額控除の対象外となる点にも注意が必要です。

初心者の方にとっては、CFDはFXなどと同じ税金のグループ、ETFは株と同じ税金のグループと覚えると分かりやすいかもしれません。

ETFは特定口座やNISAといった制度を利用することで、税金に関する手続きの負担を軽減出来る場合があります。

これに対して、CFDは原則として確定申告が必要となるため、初心者の方にとっては、この税務手続きが少しハードルに感じるかもしれません。

また、他にどのような投資を行っているかによって、損益通算の範囲が異なるため、どちらの税制が有利になるかが変わってくることもあります。

例えば、株式投資で損失が出ていて、CFD取引で利益が出た場合、これらは税区分が異なるため損益を通算出来ません。

その逆も同様です。

NISAの非課税メリットは非常に大きいですが、CFDはNISAの対象外である点も、投資方法を選ぶ上での判断材料の一つとなるでしょう。

税金って難しいなあ。CFDはFXとかと同じグループで、ETFは株と同じグループってことね。ETFならNISAも使えるんだ!
そうそう。ETFは「特定口座」っていうのを使うと、証券会社が税金の計算をしてくれるから楽ちんよ。CFDは基本的に自分で確定申告が必要になるわね。
税制面では、ETFは株式投資に近く、特定口座やNISAの利用で手続きが簡便化出来る利点があります。CFDは先物取引などと同じ区分で、損益通算の範囲や確定申告の要否が異なります。

4. リスクとリターン

投資には必ずリスクが伴い、期待出来るリターンもそれに応じて変わります。
このセクションでは、CFDとETFそれぞれのリスクとリターンの特性を詳しく見ていきます。
まず、基本的な価格変動リスクと、その度合いを示すボラティリティについて説明します。
次に、特にCFDで注意が必要なレバレッジ取引による追証リスク、そして市場での売買のしやすさに関わる流動性リスクについて解説します。
最後に、ETF特有のリスクであるトラッキング誤差(目標指数とのずれ)についても触れ、総合的なリスク管理の重要性を強調します。

4.1 価格変動リスクとボラティリティ

CFDもETFも、投資である以上、価格変動リスクは避けられません。

これは、投資対象とする原資産、例えば株価指数、商品、個別株式などの価格が、様々な要因によって上がったり下がったりすることにより、投資した資金の価値も変動するリスクのことです。

価格が自分にとって有利な方向に動けばリターン(利益)が得られますが、不利な方向に動けば損失が発生します。

この価格変動の度合い、つまり値動きの振れ幅の大きさを示す指標を「ボラティリティ」と言います。

ボラティリティが高い銘柄は、短期間で価格が大きく動く可能性があることを意味し、一般的にハイリスク・ハイリターンな傾向があります。

逆に、ボラティリティが低い銘柄は、価格の変動が比較的穏やかであると考えられます。

CFDもETFも、投資対象とする資産のボラティリティによって、リスクとリターンの度合いが変わってきます。

特にCFDの場合は、レバレッジをかけて取引を行うため、原資産のボラティリティが実際の損益に与える影響はより大きくなります。

どんな投資にも価格が動くリスクはつきものです。

ボラティリティが高い投資対象は、大きな利益を期待出来る反面、大きな損失を被る可能性も高まることを理解しておく必要があります。

CFDはレバレッジによってこの価格変動の影響が増幅されるため、特に注意深い資金管理とリスク認識が求められます。

CFDとETFは、同じ原資産(例えば同じ株価指数)を投資対象にすることが出来ます。

その場合、原資産自体の価格変動リスクやボラティリティは共通です。

しかし、CFDのレバレッジ機能は、このボラティリティを投資家が体感するレベルで増幅させます。

例えば、原資産の価格が1%変動した時、レバレッジを10倍かけてCFDを取引していれば、損益は10%変動することになります。

これは、あたかも原資産のボラティリティが10倍になったかのような損益の振れ幅を経験することを意味します。

一方、ETFの現物取引はレバレッジ1倍と同じなので、原資産のボラティリティがそのまま投資成果に反映されます。

このため、CFD取引を行う際には、原資産のボラティリティを評価することに加えて、レバレッジによる価格変動の増幅効果を常に意識し、リスク許容度に応じた取引を心がけることが不可欠です。

値段が上がったり下がったりするのは、どっちの投資でもあるんだね。「ボラティリティ」って言葉、難しそうだけど、値動きの大きさってことか。
その通りよ。例えばジェットコースターみたいに激しく上下するのがボラティリティが高い状態、メリーゴーランドみたいに穏やかなのが低い状態ってイメージね。CFDはレバレッジがあるから、その影響がもっと大きくなるの。
価格変動リスクは全ての投資の基本です。ボラティリティはその変動の激しさを示し、CFDではレバレッジによってその影響が増幅されます。リターンを追求する上でリスクの理解は不可欠です。

4.2 レバレッジによる追証リスク

レバレッジをかけた取引には、「追証(おいしょう)」という特有のリスクが伴います。

追証とは「追加証拠金」の略で、CFD取引やETFの信用取引のようにレバレッジを利用した取引において、相場の変動により損失が拡大し、預け入れた証拠金に対する評価額の割合(証拠金維持率)が、証券会社の定める一定の水準を下回った場合に、追加で証拠金を差し入れるよう求められる仕組みのことです。

CFDは、一般的に高いレバレッジをかけることが出来るため、相場が自分にとって不利な方向に少し動いただけでも、証拠金維持率が急激に低下し、追証が発生しやすい傾向があります。

もし、指定された期限までに追証を入金出来なかった場合、保有しているポジションは証券会社によって強制的に決済(これをロスカットと言います)され、損失が確定してしまいます。

さらに深刻なケースでは、相場の急変時などにロスカット処理が間に合わず、預けた証拠金の額を超える損失が発生する(元本超過損)リスクもゼロではありません。

ETFの現物取引では、レバレッジがかからないため追証は発生しません。

しかし、ETFを信用取引で行う場合には、CFDと同様に追証が発生する可能性があります。

例えば、委託保証金率が証券会社の定める水準(例えば20%など)を下回ると、追証の差し入れが必要になります。

追証は、レバレッジ取引を行う上で最も注意すべきリスクの一つです。

特にCFD取引では、高いレバレッジを効かせることが出来る反面、この追証リスクも高まるため、余裕を持った資金管理と、損失を一定範囲に抑えるための損切りルールの徹底が非常に重要になります。

「元本以上の損失が出る可能性がある」ということを、レバレッジ取引を始める前にしっかりと理解しておく必要があります。

ETFの信用取引でも追証リスクは存在しますが、CFDは一般的にETFの信用取引よりも高いレバレッジを設定出来る場合が多く、値動きに対する証拠金維持率の変動がより激しくなる傾向があります。

そのため、CFDの方が追証発生の頻度や、対応を迫られる緊急性が高まる可能性があります。

また、CFDのロスカットは、多くの場合システムによって自動的に行われるため、投資家の意図しないタイミングで損失が確定してしまうこともあります。

これは損失の無限の拡大を防ぐための安全装置ではありますが、その強制力を理解しておくべきでしょう。

初心者は、CFD取引における追証やロスカットのスピード感と強制的な性質を特に警戒し、常に証拠金維持率に注意を払う必要があります。

「追証」って言葉、聞いたことあるけど怖いイメージ…。CFDはレバレッジが高いから、追証になりやすいのかな。
そうなの。相場が予想と反対に動いて損失が大きくなると、追加でお金が必要になるのが追証よ。CFDは特に、資金管理をしっかりしないとね。ETFの現物取引なら追証はないわ。
レバレッジ取引における追証リスクは、資金管理の重要性を教えてくれます。CFDでは特に、高いレバレッジゆえに迅速な判断と損切りが求められ、これを怠ると大きな損失に繋がりかねません。

4.3 流動性リスク

投資における「流動性リスク」とは、売りたい時にすぐに売れなかったり、買いたい時にすぐに買えなかったりするリスクのことです。

流動性が低い(取引が閑散としている)状態では、希望する価格で取引出来なかったり、買値と売値の差であるスプレッドが通常よりも大きく開いてしまったり、最悪の場合には取引自体が成立しないといった不利益を被る可能性があります。

CFDの流動性リスクについては、CFDが主に店頭取引(OTC取引)であるため、その流動性は取引の相手方となる証券会社のカバー取引能力や、CFDが参照する原市場の流動性に大きく依存します。

あまり取引されていないマイナーな銘柄のCFDや、市場が急変している時、あるいは早朝など市場参加者が少ない時間帯には、流動性が低下しやすくなります。

その結果、スプレッドが拡大したり、注文した価格と実際に約定した価格がずれる「スリッページ」が発生したりする可能性が高まります。

一方、ETFの流動性リスクについては、ETFが証券取引所に上場しているため、基本的にはその取引所の市場全体の流動性に支えられています。

しかし、全てのETFが高い流動性を持っているわけではありません。

日々の出来高(取引量)が少ない不人気なETFや、新興国の市場などを対象とする特殊なETFの場合には、流動性が低く、希望する価格での売買が難しくなることがあります。

また、市場全体が混乱しているような状況下では、ETFの市場価格が、そのETFが本来持つべき理論価格である基準価額から大きく乖離してしまうこともあり得ます。

流動性リスクを避けるための一つの方法として、出来るだけ取引量が多く、多くの投資家が注目しているメジャーな銘柄を選ぶことがあげられます。

CFDの取引では、早朝や重要な経済指標の発表前後など、市場が不安定になりやすい時間帯の取引には特に注意が必要です。

CFDの流動性は主にサービスを提供する業者に依存する側面があるのに対し、ETFの流動性は取引所全体の市場参加者に依存するという違いがあります。

平常時であれば、主要な株価指数CFDや大型株に連動するETFなど、人気の高い銘柄では流動性の問題は起きにくいかもしれません。

しかし、あまり取引されていないマイナーなCFD銘柄の場合、業者が提示するレートでしか取引出来ず、そのレートが投資家にとって不利であったり、最悪の場合には業者が一時的に取引を停止したりするリスクも考えられます。

これはカウンターパーティーリスク(取引相手の信用リスク)とも関連してきます。

ETFも出来高の少ないものは流動性リスクを抱えていますが、取引所という公的な市場で取引されるため、価格の透明性は比較的保たれやすいと言えます。

初心者の方は、CFDの流動性リスクは業者の方針など「見えにくい」要因に左右されることがある一方、ETFの流動性リスクは日々の出来高などで比較的「確認しやすい」という点を理解しておくと良いでしょう。

「流動性リスク」って、売りたい時に売れないとか、買いたい時に買えないってこと?それは困るなあ。
そうなの。取引が少ない銘柄だと、そういうことが起こりやすいのよ。CFDもETFも、なるべくたくさんの人が取引している人気の銘柄を選ぶのが安心ね。
流動性は取引の生命線です。CFDでは業者の提示能力、ETFでは市場全体の取引量が鍵となります。流動性が低いと意図しない価格での約定や、取引機会の損失に繋がるため注意が必要です。

4.4 トラッキング誤差・乖離リスク(ETF特有)

ETFは、特定の指数(例えば日経平均株価などのベンチマーク)の値動きに連動することを目指して運用される金融商品です。

しかし、ETFの運用成果が、対象とするベンチマークの動きと完全に一致するわけではなく、両者の間にずれが生じることがあります。

このずれのことを「トラッキング誤差(トラッキングエラー)」と言います。

トラッキング誤差が小さいほど、そのETFが目標通りに指数を忠実に追随して運用されていることを意味します。

また、関連するリスクとして「乖離リスク」があります。

これは、ETFが取引所で売買される際の市場価格と、ETFが保有している資産の純粋な価値を示す基準価額(NAV)との間にずれ(乖離)が生じるリスクのことです。

ETFの市場価格は、株式と同様に需要と供給のバランスによって決まるため、一時的に基準価額よりも割高な価格(プレミアム状態)で取引されたり、逆に割安な価格(ディスカウント状態)で取引されたりすることがあります。

これらのトラッキング誤差や乖離が発生する主な要因には、以下のようなものがあります。

  • 信託報酬などのコスト: ETFを運用・管理するために必要な信託報酬やその他の経費は、日々ETFの資産から差し引かれます。そのため、そのコストの分だけ、ETFのパフォーマンスはベンチマークのリターンを下回る方向にずれが生じます。
  • 指数の構成銘柄入れ替え時の対応: ベンチマークとなる指数が構成銘柄を変更した場合、ETFもそれに合わせてポートフォリオ内の銘柄を売買して調整する必要があります。この売買のタイミングや取引コストによって、指数との間にずれが生じることがあります。
  • 配当金の扱い: 指数には配当金が含まれていない価格指数と、配当金込みで計算されるトータルリターン指数があります。ETFが投資先の企業から受け取った配当金を再投資するタイミングや方法などによって、指数とのパフォーマンスに差が出ることがあります。
  • 市場での需給バランス: ETFの市場価格は、取引所における投資家の買い注文と売り注文のバランスによって変動します。そのため、一時的な人気化や、逆に売りが集中するような状況では、基準価額から大きく乖離した価格で取引されることがあります。特に、取引量の少ない(流動性の低い)ETFでは、この乖離が大きくなる傾向が見られます。
  • 先物を利用するETFの場合: 株価指数先物や商品先物などを利用して指数への連動を目指すタイプのETF(特にレバレッジ型ETF、インバース型ETF、一部の商品ETFなど)では、先物取引特有の要因がトラッキング誤差を生むことがあります。例えば、先物の限月を乗り換える際のロールオーバーコストや、市場の状況(コンタンゴやバックワーデーション)などが影響します。

ETFは特定の指数と全く同じ値動きをするわけではない、ということを覚えておく必要があります。

トラッキング誤差や市場価格と基準価額の乖離が大きいETFは、投資家が期待した通りのリターンを得られない可能性があります。

ETFを選ぶ際には、そのETFがどのような指数を対象としているかだけでなく、過去のトラッキング誤差の実績などを確認することも、賢い選択のための一つの方法と言えるでしょう。

ETFの大きな魅力の一つは、特定の指数に低コストで「受動的に」連動出来ることです。

しかし、トラッキング誤差や市場価格と基準価額の乖離が大きくなると、このパッシブ運用の前提が崩れてしまうことになります。

つまり、投資家は意図せずに、運用会社の運用手腕や市場の一時的な歪みといったアクティブなリスクを負うことになりかねません。

特に、レバレッジ型ETFやインバース型ETFは、日々の値動きに対して一定の倍率で連動するように設計されているため、2営業日以上の期間で見ると、複利効果によって対象指数の動きとETFの価格変動が大きくずれることが構造的に避けられません。

これは、中長期の保有には向かないとされる理由の一つです。

したがって、初心者が「指数に連動するから簡単で安心」というイメージでETFを選ぶ際には、このトラッキング誤差や乖離リスクの存在と、それがパッシブ運用のメリットを損なう可能性があることを十分に理解しておく必要があります。

ETFって、例えば日経平均と同じように動くと思っていたけど、ちょっとずれることがあるんだね。「トラッキング誤差」っていうのか。
そうなの。手数料がかかったり、指数の銘柄が変わったり、色々な理由でぴったり同じにはならないことがあるのよ。特に特殊なETFはずれやすいこともあるから注意が必要ね。
ETFのトラッキング誤差は、目標とする指数と実際の運用成果との間に生じる避けられないずれです。コストや運用上の制約が主な原因であり、ETF選択時にはこの誤差の程度も考慮すべき点です。

5. 投資スタンス別の適性

投資には必ずリスクが伴い、期待出来るリターンもそれに応じて変わります。
このセクションでは、CFDとETFそれぞれのリスクとリターンの特性を詳しく見ていきます。
まず、基本的な価格変動リスクと、その度合いを示すボラティリティについて説明します。
次に、特にCFDで注意が必要なレバレッジ取引による追証リスク、そして市場での売買のしやすさに関わる流動性リスクについて解説します。
最後に、ETF特有のリスクであるトラッキング誤差(目標指数とのずれ)についても触れ、総合的なリスク管理の重要性を強調します。

5.1 短期トレード向き/デイトレ向き

短い期間で売買を繰り返す短期トレードや、その日のうちに取引を完結させるデイトレードといった投資スタイルにおいて、CFDとETFのどちらが向いているのでしょうか。

CFDは、短期トレードやデイトレードに非常に適した金融商品と言えます。

その主な理由は以下の通りです。

  • レバレッジ効果の活用: CFDは高いレバレッジをかけることが出来るため、少ない資金でも比較的大きな値動きを捉え、短期的に高いリターンを狙うことが可能です。
  • 取引コストの低さ(スプレッドが主となる場合): 多くの証券会社ではCFDの取引手数料が無料であり、主なコストはスプレッドのみです。そのため、頻繁に売買を繰り返す場合でも、トータルの取引コストを抑えやすい傾向があります。
  • 取引時間の柔軟性: 多くのCFD銘柄はほぼ24時間取引が可能なため、日中の仕事中や深夜・早朝など、自分のライフスタイルに合わせて取引のタイミングを選びやすく、短期的な市場の動きに対応しやすいです。
  • 売りからの取引(ショート)の容易さ: CFDは「売り」から取引を始めることが簡単に出来るため、相場が下落している局面でも利益を追求するチャンスがあります。これにより、取引機会が格段に増えます。
  • 保有コストの回避(デイトレードの場合): デイトレードでその日のうちにポジションを決済すれば、金利調整額(オーバーナイトコスト)の支払いを回避出来ます。

一方、通常のETFの現物取引は、その性質上、短期トレードよりも中長期の投資に向いていると言えます。

しかし、ETFでも短期的な売買が全く出来ないわけではありません。

  • 信用取引の活用: ETFも株式と同様に信用取引を利用すれば、レバレッジをかけたり、「売り」から入ったりすることが可能になるため、短期的な売買戦略を取ることが出来ます。
  • レバレッジ型・インバース型ETFの利用: これらの特殊なETFは、日々の指数の値動きに対して一定の倍率で連動したり、逆方向に連動したりするように設計されているため、短期的な市場の方向性を予測した取引に利用されることがあります。ただし、これらのETFは長期保有には向かない特有のリスクがある点に注意が必要です。
  • 売買手数料の考慮: ETFの売買には通常、手数料がかかります。そのため、頻繁に取引を繰り返すと、手数料の負担が大きくなる可能性があります。

短期間で積極的に利益を狙いたいのであれば、CFDが有力な選択肢となるでしょう。

ETFで短期売買を行う場合には、信用取引の仕組みやレバレッジ型・インバース型ETFの特性を十分に理解し、さらに売買手数料のコストも考慮に入れる必要があります。

CFDの「取引手数料無料・スプレッドが主コスト」という構造は、取引回数が多くなりがちな短期トレーダーにとって、コスト管理の面で有利に働くことがあります。

一方で、ETFの売買手数料は取引ごとにかかるため、頻繁な売買はコスト増に直結し、短期トレードの収益性を圧迫する要因になり得ます。

また、CFDではデイトレードによって金利調整額という保有コストを気にせずに短期の値動きに集中出来る点も、短期志向の投資家にとってはメリットと言えるでしょう。

このように、コスト構造が短期トレードのスタイルとCFDの方がより整合性が高いと考えられます。

デイトレードとか、短い期間で取引するならCFDの方がいいのかな?レバレッジも使えるし、手数料もスプレッドだけって聞くし。
そうね、CFDは短期売買の道具が揃っている感じね。ETFも信用取引を使ったり、レバレッジがかかった特殊なタイプなら短期で使えるけど、手数料には気をつけて。
短期トレードやデイトレードでは、CFDのレバレッジ、取引時間の柔軟性、売りからの取引の容易さが大きな武器となります。ETFで短期を狙う場合は、信用取引や特定の商品設計を理解する必要があります。

5.2 中長期資産形成向き

時間をかけてじっくりと資産を増やしていくことを目指す中長期の資産形成において、CFDとETFはどちらが適しているのでしょうか。

一般的に、CFDは中長期の資産形成にはあまり向いていないとされています。

その主な理由は以下の通りです。

  • 保有コストの負担: CFDのポジションを長期間持ち続けると、金利調整額やオーバーナイトコストといった保有コストが日々発生し、積み重なっていきます。これが利益を圧迫する要因となる可能性があります。
  • レバレッジリスクの増大: レバレッジをかけた状態で長期間ポジションを保有することは、相場の大きな変動に巻き込まれるリスクを高めます。予期せぬ大きな損失や、ロスカットのリスクも常に意識する必要があります。
  • 差金決済取引の性質: CFDは現物を保有するのではなく、売買の価格差を決済する取引です。そのため、企業からの配当金のような形で安定的にインカムゲイン(資産を保有していることで得られる収益)を得るというよりは、価格変動による売買差益(キャピタルゲイン)を狙う取引が中心となります。

一方、ETFは中長期の資産形成に適した金融商品と考えられています。

その主な理由は以下の通りです。

  • 手軽な分散投資効果: ETFは、一つの銘柄を購入するだけで、そのETFが対象とする指数に含まれる多くの銘柄に分散投資したことと同じ効果が得られます。これにより、個別の銘柄選択のリスクを抑えながら、市場全体の長期的な成長の恩恵を受けやすくなります。
  • 低コストでの保有(信託報酬): ETFの多くは、運用管理費用である信託報酬が比較的低く設定されています。そのため、長期間保有し続けても、コスト負担が比較的小さく済み、複利効果を活かしやすくなります。
  • 現物保有による安心感: ETFは実際に投資信託の受益証券という形で資産(の持分)を保有するため、投資対象である企業や市場の長期的な価値の上昇を期待しやすいです。
  • 積立投資との相性: 多くのETFは比較的少額から購入出来るため、毎月一定額を積み立てていくような長期的な資産形成プランにも活用しやすいです。ただし、証券会社によってはETFの自動積立サービスが限定的である場合もあります。

コツコツと時間をかけて資産を増やしていきたいと考えるならば、ETFが有力な選択肢となるでしょう。

CFDで長期投資を行うことは、コスト面やリスク管理の観点から、より慎重な検討が求められます。

ETFの「投資信託を上場させたもの」という基本的な構造は、本質的に長期的な資産成長を目指す投資信託の考え方を引き継いでいます。

低コストで分散投資が出来るというETFの特性は、まさに長期保有を前提とした資産形成戦略と合致しています。

これに対して、CFDの「差金決済」という仕組みは、短期的な価格変動から利益を得ることに特化しており、長期保有を前提とした設計にはなっていません。

日々の金利調整額といった保有コストや、レバレッジをかけた状態での長期保有に伴うリスクは、中長期の資産形成という目的とは相反する要素となり得ます。

このように、商品の根本的な設計思想とコスト構造が、ETFを中長期投資に、CFDを短期投資にそれぞれ適したものにしていると言えるでしょう。

じゃあ、長い目で見てお金を増やしたいなら、ETFの方がいいのかな?CFDは毎日コストがかかるって聞いたし…。
その通りね。ETFは色々なものにまとめて投資できるし、持っている間の費用も比較的安いから、じっくり資産を育てるのに向いているわ。CFDは短期決戦型って感じね。
中長期の資産形成においては、ETFの分散効果と低コスト性が大きな強みとなります。CFDは保有コストやレバレッジリスクから、一般的に長期保有には不向きと考えられています。

5.3 分散投資・配当重視の可否

投資のリスクを抑えるための「分散投資」や、定期的な収益を期待する「配当重視」のスタンスにおいて、CFDとETFはそれぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。

まず、CFDにおける分散投資と配当(に相当するもの)についてです。

CFDでの分散投資:

CFDという商品自体が、一つの取引で複数の資産に分散投資するような仕組みにはなっていません。

しかし、投資家自身が、例えば株価指数CFD、商品CFD、個別株式CFDなど、様々な種類のCFDを複数組み合わせて保有することで、結果的に分散投資されたポートフォリオを構築することは可能です。

ただし、その場合は、それぞれのCFDポジションを個別に管理し、市場の状況に合わせて調整していく必要があります。

CFDでの配当(権利調整額):

株式CFDや、一部の株価指数CFD(ETFを参照しているものなど)では、原資産となる株式から配当金が支払われた際に、それに相当する金額が「権利調整額」として受け取れる場合があります(買いポジションを保有している場合)。

CFDでレバレッジをかけて取引している場合、この受け取れる権利調整額もレバレッジ効果によって増える可能性がありますが、これは同時にリスクも伴うことを意味します。

逆に、売りポジションを保有している場合は、権利調整額を支払う必要が生じます。

金CFDや原油CFDといった商品CFDなど、そもそも配当の概念がない資産を対象とするCFDには、権利調整額の受け払いはありません。

次に、ETFにおける分散投資と配当(分配金)についてです。

ETFでの分散投資:

ETFの最大のメリットの一つが、手軽に広範囲な分散投資が出来ることです。

例えば、日経平均株価に連動するETFを一つ購入するだけで、日経平均を構成する225社の株式に少しずつ投資しているのと同様の効果が得られます。

これにより、特定の企業や業種に集中投資するリスクを避け、市場全体の値動きに近いリターンを目指すことが出来ます。

ETFでの配当(分配金):

多くのETFでは、そのETFが投資対象としている株式などから得られた配当収益を原資として、年に1回または複数回、投資家に対して「分配金」という形で支払われます。

分配金の利回りはETFによって異なり、特に高配当株を集めて構成されたETFなどでは、比較的高い分配金収入を期待出来るものもあります。

ただし、ETFから支払われた分配金は、一般的な投資信託のように自動的に再投資される仕組みになっていない場合が多いです。

そのため、分配金を使ってさらに投資を続け、複利効果を得たい場合には、自分でその分配金を使ってETFを買い付ける必要があります。

手軽にリスクを分散したいと考えるならば、ETFが非常に便利な選択肢となります。

配当金のような定期的な収益を期待する場合、ETFの分配金やCFDの権利調整額がその候補となりますが、両者は仕組みや性質が異なります。

ETFの分配金は、投資先の企業が生み出した実際の収益(配当など)を原資としており、伝統的な「インカムゲイン」としての性格が強いです。

これに対して、CFDの権利調整額は、現物を保有していないことによる価格差を調整するためのものであり、買い方と売り方の間で金銭の授受が発生します。

売り方は支払う必要があるなど、純粋なインカム収益とは性質が異なります。

特にCFDでレバレッジをかけている場合、権利調整額もレバレッジの影響を受けるため、さらに複雑な要素が絡んできます。

また、税制面でも、ETFの分配金はNISA口座であれば非課税になるメリットがありますが、CFDの権利調整額は雑所得の一部として扱われます。

したがって、安定的なインカム収益を期待するのであればETFの分配金の方が適しており、CFDの権利調整額はあくまで取引の一環としての調整と捉える方が適切でしょう。

色々なものにちょっとずつ投資する「分散投資」って、ETFの方が簡単にできそうだね。配当金みたいなのも、ETFの方があるのかな?
そうね、ETFは1つ買うだけで分散投資になるのがいいところよ。配当金(分配金)も出るETFが多いわ。CFDも株のCFDなら「権利調整額」っていう配当みたいなものがもらえることがあるけど、仕組みがちょっと違うの。
分散投資の容易さではETFに軍配が上がります。配当については、ETFは分配金、CFDは権利調整額という形で受け取れる可能性がありますが、その性質や税制面の扱いには違いがあります。

6. 実践的な活用例

CFDとETFの基本的な違いや特徴を理解したところで、次に具体的な投資シーンでどのように活用出来るかを見ていきましょう。
このセクションでは、多くの投資家が注目する株価指数への投資、金や原油といった商品(コモディティ)への投資、そして為替変動リスクや金利変動リスクを回避・軽減するためのヘッジ手段としての活用という3つのケースを取り上げます。
それぞれのケースでCFDとETFがどのように使われ、どんなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

6.1 株価指数への投資ケース

日経平均株価(日本225)やアメリカのS&P500、NASDAQ100、NYダウといった株価指数は、経済の動向を示す代表的な指標であり、多くの投資家が注目しています。

これらの株価指数にCFDやETFを使って投資する場合の活用例を見てみましょう。

CFDを活用した株価指数投資の例:

例えば、短期的な市場の上下を予測して利益を狙う場合にCFDは有効です。

ある経済指標の発表後に相場が大きく動くと予想し、日経225CFDを売買するといったシナリオが考えられます。

この場合のCFDのメリットは以下の通りです。

  • レバレッジ効果: 少ない資金で大きな取引が出来るため、短期的な値動きでも比較的大きなリターンを狙えます。
  • 売りからの取引: 相場の下落が予想される局面でも、売りポジションから入ることで利益獲得のチャンスがあります。
  • 取引時間の柔軟性: 多くの株価指数CFDはほぼ24時間取引が可能なため、海外市場の動向や日本時間の夜間に発生したニュースにも機動的に対応しやすいです。
  • 取引手数料: 多くの証券会社で株価指数CFDの取引手数料は無料(スプレッドが実質コスト)となっています。

一方、CFDのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • レバレッジによるリスク: リターンが大きい可能性がある反面、損失も拡大しやすく、追証が発生するリスクがあります。
  • 長期保有コスト: ポジションを長期間持ち越す場合、金利調整額などの保有コストがかかることがあります。

ETFを活用した株価指数投資の例:

例えば、長期的な経済成長を期待して、アメリカのS&P500指数に連動するETFを毎月コツコツと積み立てていくといったシナリオが考えられます。

この場合のETFのメリットは以下の通りです。

  • 分散投資効果: 一つのETF銘柄を購入するだけで、その指数を構成する多数の企業に分散投資したことになり、リスクを軽減出来ます。
  • 低コストでの長期保有: 一般的に信託報酬(運用管理費用)が低く設定されている銘柄が多いため、長期保有に適しています。
  • NISA口座の活用: NISA口座を利用すれば、ETFの分配金や売却益が非課税になるという大きなメリットがあります。
  • 現物保有の安心感: 実際に資産(投資信託の受益証券)を保有するため、投資対象である企業の成長と共に自身の資産価値の上昇を期待しやすいです。

一方、ETFのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • レバレッジの制限(現物の場合): 通常の現物取引ではレバレッジをかけることは出来ません。
  • 取引時間の制約: 取引は証券取引所の開いている時間に限られます。
  • 短期的な大きなリターンは狙いにくい: 市場全体の動きに連動するため、短期間で爆発的なリターンを得ることは難しい傾向があります。

株価指数の短期的な値動きを捉えて積極的に利益を追求したいのであればCFDが、市場全体の長期的な成長に時間をかけて投資し、じっくりと資産を形成していきたいのであればETFが、それぞれ適した選択肢と言えるでしょう。

このように、同じ株価指数という投資対象であっても、CFDとETFでは活用する戦略の時間軸や目的が大きく異なります。

例えば、重要な経済指標の発表前後といった短期的な市場のボラティリティ(価格変動の度合い)を利用した取引や、特定のイベントに合わせた機動的な売買を考えているのであれば、レバレッジが利用でき、売りからも入れて、取引時間も柔軟なCFDが適しています。

一方で、数年から数十年といった長期的な視点で、世界経済や特定の国・地域の経済成長の恩恵を受けたいと考え、コアとなる資産として積み立て投資を行うのであれば、分散効果が高く、低コストで長期保有しやすいETFが適していると言えます。

ご自身の投資目標や期間、リスク許容度に合わせて、最適な手段を選択することが大切です。

日経平均とかS&P500に投資するなら、CFDとETFどっちがいいんだろう?短期で儲けたい時と、長く持ちたい時で違うのかな?
そうね、例えば「今日のニュースで相場が動きそう!」って時はCFDで短期勝負、みたいに使えるわ。逆に「将来のためにコツコツ積み立てたい」ならETFで長期投資、っていうのが一般的よ。
株価指数への投資では、CFDは短期的な市場の波に乗るための機動的なツール、ETFは長期的な市場の成長を捉えるための安定的な手段として活用できます。投資期間と目的で使い分けましょう。

6.2 商品(コモディティ)への投資ケース

金(ゴールド)や原油、銀、とうもろこし、天然ガスといった商品(コモディティ)も、CFDやETFを通じて投資対象とすることが出来ます。

これらの商品に投資する場合の活用例を見てみましょう。

CFDを活用した商品投資の例:

例えば、国際情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりから安全資産とされる金価格の上昇を予想し、金CFDを買いで保有するシナリオが考えられます。

また、逆に、産油国の増産合意の報道を受けて原油価格の下落を予想し、原油CFDを売りで保有するといった戦略も可能です。

この場合のCFDのメリットは以下の通りです。

  • レバレッジによる少額からのアクセス: レバレッジを利用することで、少ない証拠金でも商品市場への投資を始めることが出来ます。例えば、原油CFDでは20倍程度のレバレッジが提供されることもあります。
  • 現物保有の困難な商品への手軽な投資: 金や原油といった商品は、個人が実際に現物を購入して保管・管理するのは大変です。CFDであれば、現物を受け渡すことなく、その価格変動に投資することが出来ます。
  • 売りからの取引: 価格下落が予想される局面でも、売りポジションから入ることで利益を狙うことが可能です。
  • 多様な商品銘柄: 多くの証券会社で、金や原油だけでなく、農産物やその他の金属など、多様な商品CFDが用意されています。

一方、CFDのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 高い価格変動リスク: 商品市場は、天候不順や国際紛争、各国の政策など、様々な要因で価格が大きく変動することがあります。レバレッジをかけていると、この価格変動によって大きな損失を被るリスクがあります。
  • 保有コスト: 金利調整額や、先物価格を参照する商品CFDの場合は価格調整額(ロールオーバーコスト)といった保有コストが発生します。
  • 専門知識の必要性: 商品市場特有の需給要因や、関連するニュース(天候情報、地政学的な出来事、在庫統計など)を理解しておくことが求められます。

ETFを活用した商品投資の例:

例えば、将来のインフレに対する備え(インフレヘッジ)として、金価格に連動するETFをポートフォリオの一部に組み入れるといったシナリオが考えられます。

この場合のETFのメリットは以下の通りです。

  • 手軽な投資: 金ETFや原油ETFなど、特定の商品の値動きに連動するように設計されたETFを通じて、比較的簡単に商品市場へ投資出来ます。
  • 現物保管リスクの回避: ETFを通じて投資する場合、現物の商品を自分で保管したり管理したりする必要がありません。
  • 分散投資の一環として: 商品は、株式や債券といった伝統的な資産とは異なる値動きをする傾向があるため、ポートフォリオ全体の分散効果を高める目的で活用されることがあります。

一方、ETFのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 信託報酬: 商品ETFも運用管理費用として信託報酬がかかります。他の種類のETFと比較して、やや高めに設定されている場合もあります。
  • ロールオーバーコストの影響(先物型ETFの場合): 特に原油ETFなど、商品先物を利用して指数に連動させるタイプのETFでは、先物の限月を乗り換える際のロールオーバーコスト(市場がコンタンゴ状態の時など)がETFの価格に影響を与え、長期保有する場合に不利になることがあります。
  • 流動性の低い銘柄も: 一部の農産物ETFなど、取引量が少なく流動性が低い商品ETFも存在します。

金や原油といった私たちの生活にも身近な商品にも、CFDやETFを通じて投資することが可能です。

CFDであればレバレッジを効かせて短期的な価格変動を狙った取引が、ETFであれば長期的な視点での資産分散や特定のテーマ(例えばインフレヘッジとしての金投資)への投資が考えられます。

「商品に投資する」と言っても、その手段によって実態やリスク・コスト構造が異なる点を理解することが重要です。

CFDは多様な商品にレバレッジをかけてアクセス出来る手軽さが魅力ですが、あくまで価格差への投機的な取引です。

これに対して、例えば現物の金を裏付けとする金ETFなどは、実質的にその商品を保有するのに近い形となり、インフレヘッジといった商品投資の伝統的な役割を果たしやすいと言えます。

ただし、原油ETFのように先物を利用するタイプの商品は、CFDと同様に先物市場のロールオーバーの影響を受けるため、その特性をよく理解しておく必要があります。

どちらの方法を選ぶにしても、商品市場特有のリスクやコスト構造を事前にしっかりと把握しておくことが求められます。

金とか原油にも投資できるんだね!CFDだとレバレッジも使えるし、売りからも入れるのは面白そう。ETFでも金とかあるんだ。
そうなのよ。CFDならニュースで金や原油の値段が動いた時にすぐ反応できるわね。ETFなら、例えば金のETFを少し持っておくと、インフレ対策になるって言われたりするわ。
商品投資において、CFDは価格変動を捉える短期的な手段として、ETFはポートフォリオの分散や特定テーマへの長期投資として活用できます。ただし、商品特有のリスクやコスト構造の理解が重要です。

6.3 為替・金利ヘッジに活用するケース

投資においては、リターンを追求するだけでなく、保有している資産の価値が予期せぬ変動によって目減りするリスクを管理することも重要です。

このようなリスクを軽減するための手法の一つが「ヘッジ」です。

ヘッジとは、保有している資産(例えば外国株式や外貨建て債券など)が持つ価格変動リスクに対して、別の取引(例えば関連するCFDや為替予約など)を行うことで、そのリスクを相殺したり軽減したりすることを目指す戦略です。

CFDやETFも、このヘッジ取引に活用されることがあります。

CFDを活用したヘッジの例:

CFDは、特に為替ヘッジ株価指数の下落リスクヘッジに活用しやすい特徴があります。

  • 為替ヘッジのシナリオ:例えば、あなたがアメリカの企業の株式を保有しているとします。この米国株の価値はドル建てですが、日本円に換算する際には為替レートが影響します。もし将来、円高・ドル安が進むと予想される場合、保有している米国株の円換算価値は目減りしてしまいます。このような時、米ドル/円のCFDを「売り」ポジションで保有しておくことで、為替ヘッジを行うことが考えられます。実際に円高・ドル安が進んだ場合、米ドル/円CFDの売りポジションでは利益が発生し、これが米国株の為替差損をある程度相殺する効果を期待出来ます。CFDは少ない証拠金で比較的大きな金額の為替ヘッジが可能な点や、ほぼ24時間取引出来るため機動的に対応出来る点がメリットです。ただし、ヘッジコストとしてスプレッドや金利調整額がかかる点には注意が必要です。
  • 株価指数ヘッジのシナリオ:例えば、複数の日本株を保有しているが、短期的には株式市場全体が下落するかもしれないと懸念している場合を考えます。個別株を売却せずに下落リスクを一時的にヘッジしたい時、日経平均株価(日本225)などの株価指数CFDを「売り」で保有する戦略があります。もし市場全体が下落すれば、保有株の評価損を株価指数CFDの売りポジションの利益で一部相殺することが期待出来ます。

ETFを活用したヘッジの例:

ETFの中には、為替ヘッジ機能があらかじめ組み込まれたタイプの商品があります。

  • 為替ヘッジありETFの活用: 例えば、外国の株式や債券に投資するETFの中には、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の二つのタイプが用意されていることがあります。 「為替ヘッジあり」のETFは、投資対象資産の価格変動リスクに加えて、その資産が外貨建てであることによる為替変動リスクを、ファンド内で自動的にヘッジ(軽減)するように設計されています。 これにより、投資家は為替レートの変動を気にすることなく、投資対象資産そのものの値動きに集中しやすくなります。 ただし、為替ヘッジを行うためにはコスト(ヘッジコスト)がかかるため、その分「為替ヘッジなし」のタイプに比べてリターンが低くなる傾向があります。また、完全に為替リスクをなくせるわけではない点にも留意が必要です。

金利の変動リスクに対する直接的なヘッジ手段としてCFDやETFが一般的に使われるケースは限定的ですが、金利変動が影響を与えやすい債券CFDや債券ETFなどを通じて間接的に対応することは考えられます。

CFDは、その柔軟性から為替や株価指数の短期的なリスクヘッジに適しています。

特に、保有資産を売却せずに一時的な下落リスクを回避したい場合や、特定の為替変動リスクを機動的にコントロールしたい場合に有効です。

一方、ETF、特に為替ヘッジありETFは、長期的な視点で外国資産に投資する際に、為替リスクをあらかじめ軽減しておきたいと考える投資家にとって便利な選択肢となります。

ヘッジ取引は、リスクを管理するための有効な手段ですが、ヘッジ自体にもコストがかかることや、ヘッジが完全にリスクをなくすものではないことを理解しておく必要があります。

また、ヘッジのタイミングや規模を適切に判断するには、ある程度の知識と経験が求められます。

「ヘッジ」って、リスクを避けるためのお守りみたいなものかな?持ってる株が下がりそうな時に、CFDで売っておくと損失を減らせるかもしれないってこと?
そんなイメージね。例えば、外国の株を持っていて円高が心配な時に、CFDで為替の売りポジションを持ったり、為替ヘッジ付きのETFを選んだりすることで、為替の変動リスクを和らげることが出来るのよ。
ヘッジは、保有資産のリスクを管理するための重要な戦略です。CFDは機動的な為替ヘッジや株価指数ヘッジに、為替ヘッジありETFは長期的な為替リスク軽減に活用出来ます。ただし、ヘッジにはコストが伴うことを忘れずに。

7. CFDとETFの選び方チェックリスト

ここまでCFDとETFの様々な違いを見てきましたが、実際にどちらを選べば良いか迷う方も多いでしょう。
このセクションでは、あなたの投資スタイルや目的に合わせて最適な選択が出来るように、具体的なチェックポイントをリスト形式でまとめました。
投資の目的や期間、用意出来る資金量やどれくらいのリスクなら受け入れられるか、コストに対する考え方、そして税金や配当金をどう考えるか、といった観点から、自分に合った投資法を見つける手助けをします。

7.1 投資目的・期間で選ぶ

CFDとETFのどちらを選ぶか、最初のステップはあなたの投資目的と投資期間を明確にすることです。

  • 短期的な利益を積極的に狙いたいですか。
    • はい → CFDが選択肢の一つです。レバレッジを活用し、日々の価格変動から利益を得ることを目指せます。
    • いいえ → ETFも検討しましょう。
  • 数日~数週間程度のスイングトレードを考えていますか。
    • はい → CFDが機動的に対応しやすいでしょう。ETFの信用取引も選択肢です。
    • いいえ → より長期の視点も考慮しましょう。
  • 数年単位での長期的な資産形成を目指していますか。
    • はい → ETFが適しています。分散投資効果と低コストでの長期保有が魅力です。
    • いいえ → 短期的な戦略も検討出来ます。
  • 市場が下落する局面でも利益を追求したいですか。
    • はい → CFD(売りから入れる)や、インバース型ETF、ETFの信用取引(空売り)が考えられます。
    • いいえ → 上昇相場での利益獲得を目指す戦略が中心になります。
  • 特定の経済イベント(例:金融政策発表、選挙など)に合わせて機動的に取引したいですか。
    • はい → CFDの取引時間の長さやレバレッジが役立つことがあります。
    • いいえ → より安定的な長期投資を検討出来ます。

まず、どのような目的で投資を始めるのか、投資期間はどれくらいを想定しているのか、といった点を自分の中で整理することが、適切な金融商品を選ぶための第一歩です。

短期的な値動きを捉えて利益を積み重ねたいのか、それとも長期的な視点でじっくりと資産を育てていきたいのか、目的によって適した手段は大きく異なります。

投資の目的かぁ。すぐにお金持ちになりたいわけじゃないけど、ちょっとお小遣いが増えたら嬉しいな。でも、長く持つのもいいかも。
目的によって選ぶものが変わってくるのよ。例えば、短期で結果を出したいならCFD、じっくり時間をかけて増やしたいならETF、という風にね。どっちのスタイルが自分に合っているか考えてみて。
投資目的と期間は、商品選択の最も基本的な指針です。短期的なキャピタルゲイン追求ならCFD、長期的な資産形成ならETFという大まかな方向性をまず定めましょう。

7.2 資金量・リスク許容度で選ぶ

次に、あなたが投資に使える資金の量と、どれくらいのリスクなら受け入れられるか(リスク許容度)を考えましょう。

  • 少額の資金から大きな取引を始めたいですか。
    • はい → CFDのレバレッジが有効です。ただし、リスクも大きくなることを理解しましょう。
    • いいえ → ETFでコツコツ投資することも良いでしょう。
  • 元本以上の損失が発生する可能性を受け入れられますか。
    • はい(リスクを十分に理解した上で) → CFDやETFの信用取引はハイリスク・ハイリターンな取引です。
    • いいえ → ETFの現物取引など、元本以上の損失が出ない投資方法を選びましょう。
  • 日々の価格変動による精神的なストレスは少ない方が良いですか。
    • はい → レバレッジを抑えた取引や、ETFのような比較的値動きがマイルドなもの(対象指数による)が良いかもしれません。
    • いいえ → CFDのような短期的な価格変動が大きい取引も選択肢に入ります。
  • 追証(追加証拠金)が発生する可能性は避けたいですか。
    • はい → ETFの現物取引を選びましょう。CFDや信用取引には追証リスクがあります。
    • いいえ(資金管理を徹底出来るなら) → CFDやETFの信用取引も検討出来ます。
  • 投資資金がなくなっても生活に困らない範囲ですか。
    • はい → ある程度のリスクを取る余裕があるかもしれません。
    • いいえ → より慎重な投資方法、例えば少額からのETF積立などを検討しましょう。生活資金を投資に回すのは避けましょう。

投資に回せる資金がどれくらいあるのか、そして万が一損失が出た場合に、どの程度までなら精神的にも経済的にも耐えられるのかを冷静に考えることが大切です。

リスク許容度は年齢、収入、家族構成、性格などによって人それぞれ異なります。

自分のリスク許容度を超えた投資は、冷静な判断を妨げ、大きな失敗に繋がる恐れがあります。

お小遣いの範囲で始めたいな。でも、もし損しちゃったらどうしよう…って考えると不安。あんまりドキドキするのは得意じゃないかも。
それなら、まずは少額から始められるETFの現物取引がいいかもしれないわね。CFDはレバレッジがある分、少ない資金でも大きな取引ができるけど、リスクも高くなるから、最初は慎重にね。
資金量とリスク許容度は、投資戦略を左右する重要な要素です。レバレッジをどの程度利用するか、損失の可能性をどこまで受け入れるかで、CFDとETFのどちらが適しているかが見えてきます。

7.3 コスト重視で選ぶ

投資を行う上で、手数料やその他のコストはリターンに直接影響します。コストをどれだけ重視するかで、CFDとETFの選び方が変わってきます。

  • 取引ごとの手数料を出来るだけ抑えたいですか。
    • はい → CFD(取引手数料無料、スプレッドが主コストの業者を選ぶ)、または売買手数料無料のETF(提供している証券会社を選ぶ)が候補です。
    • いいえ → 手数料だけでなく、他の要素も総合的に判断しましょう。
  • 頻繁に売買する予定ですか。
    • はい → CFDのスプレッドの狭さや、ETFの売買手数料の安さが重要になります。トータルコストで比較しましょう。
    • いいえ → 売買手数料よりも、保有コスト(信託報酬や金利調整額)の影響が大きくなるかもしれません。
  • 長期間ポジションを保有する予定ですか。
    • はい → ETFの信託報酬の低さが重要です。CFDの場合は金利調整額などの保有コストが積み重なるため注意が必要です。
    • いいえ → 保有コストよりも売買コストを重視する方が合理的かもしれません。
  • コストは出来るだけシンプルで分かりやすい方が良いですか。
    • はい → ETFの売買手数料や信託報酬は比較的明示的です。CFDのスプレッドや各種調整金は変動したり、計算が複雑だったりする場合があります。
    • いいえ → コスト構造の複雑さよりも、他のメリットを優先することも考えられます。

投資コストは、見えやすいもの(売買手数料など)と見えにくいもの(スプレッド、金利調整額など)があります。

また、取引スタイル(短期か長期か、頻繁に売買するかどうか)によって、どのコストがより重要になるかが変わってきます。

表面的な「手数料無料」という言葉だけでなく、実質的にかかる全てのコストを考慮して、総合的に判断することが賢明です。

やっぱり手数料は安い方がいいよね!CFDは取引手数料無料ってよく見るけど、ETFも無料のところがあるんだ。長く持つなら、持ってる間の費用も気になるな。
そうなの。短期で何度も取引するなら売買の時のコスト、長く持つなら持っている間のコストが重要になってくるわ。自分の投資スタイルに合わせて、どっちのコストを重視するか考えるといいわよ。
コストはリターンを確実に蝕む要因です。取引頻度や保有期間を考慮し、スプレッド、売買手数料、信託報酬、金利調整額といった各種コストを総合的に比較検討することが、賢明な投資判断に繋がります。

7.4 税制・配当重視で選ぶ

税金の扱いや配当金(分配金)をどのように考えるかも、CFDとETFを選ぶ上での重要なポイントです。

  • 確定申告の手間を出来るだけ省きたいですか。
    • はい → ETF特定口座(源泉徴収あり)で取引するのが便利です。原則として確定申告が不要になります。CFDは基本的に確定申告が必要です。
    • いいえ → 確定申告の手間を厭わないのであれば、他の要素で選びましょう。
  • NISA(少額投資非課税制度)を利用して非課税で投資したいですか。
    • はい → ETFはNISAの対象です。CFDはNISAでは取引出来ません。
    • いいえ → NISA以外のメリット・デメリットで判断しましょう。
  • 株式投資の損益と通算したいですか。
    • はい → ETFの譲渡損益は、株式の損益と通算出来ます。CFDの損益は株式とは通算出来ません(FXや先物とは通算可能)。
    • いいえ → 損益通算の必要性を感じないのであれば、他の基準で選びましょう。
  • 定期的なインカムゲイン(配当金のような収益)を期待しますか。
    • はい → ETFの分配金や、株式CFDの権利調整額が該当します。ただし、性質や税制が異なります。ETFの方が安定的なインカムに近いでしょう。
    • いいえ → 売買差益(キャピタルゲイン)を主に狙う戦略になります。
  • 損失が出た場合、翌年以降に繰り越して将来の利益と相殺したいですか。
    • はい → CFDもETFも、確定申告をすることで損失の繰越控除が可能です(それぞれ通算出来る所得の範囲が異なります)。
    • いいえ → 損失の繰越控除を考慮しない場合は、他の要素を優先します。

税制は複雑に感じるかもしれませんが、長期的な手取りリターンに影響を与えるため、無視出来ない要素です。

特にNISA口座の非課税メリットは大きいため、利用出来るかどうかは重要な判断基準の一つになるでしょう。

また、配当金(分配金)を重視する場合も、CFDの権利調整額とETFの分配金では、その性質や受け取り方、税金の扱いが異なる点を理解しておく必要があります。

NISAってよく聞くけど、ETFなら使えるんだね!税金のこととか難しそうだから、なるべく簡単な方がいいな。配当金ももらえるなら嬉しいかも。
ETFはNISAも使えるし、特定口座なら税金の手続きも楽だから、初心者さんには始めやすいわね。CFDは税金の申告が必要になることが多いから、そこはちょっと手間がかかるかもしれないわ。
税制と配当は、投資の最終的な手取り額に影響します。NISAの活用や確定申告の簡便性を重視するならETF、FXなど他のデリバティブ取引との損益通算を考えるならCFDという視点も有効です。

8. よくある質問(FAQ)

CFDとETFについて学んでいく中で、さらに具体的な疑問が出てくることもあるでしょう。このセクションでは、初心者の方が特に抱きやすい質問とその回答をまとめました。
CFDと似たような名前のレバレッジ型ETFとの違い、NISA口座でCFDが取引出来るのか、ETFで売りからの取引(ショート)は不可能なのか、そしてCFD取引を始めるにはどれくらいの証拠金が必要なのか、といった疑問に分かりやすくお答えします。

8.1 CFDとレバレッジ型ETFの違いは?

CFDとレバレッジ型ETFは、どちらもレバレッジ(てこの原理)を利用して、少ない資金で大きなリターンを狙える可能性がある金融商品ですが、いくつかの重要な違いがあります。

まず、レバレッジのかけ方が異なります。

CFDは、投資家が証券会社に証拠金を預け入れ、その証拠金に対して数倍(例えば株価指数CFDなら10倍、商品CFDなら20倍など)の取引を行う仕組みです。

レバレッジの倍率は、取引する銘柄や証券会社によって設定されています。

一方、レバレッジ型ETFは、ETFそのものが「対象となる指数(例:日経平均株価)の日々の値動きの2倍(または3倍など)に連動する」ことを目指して設計・運用されている商品です。

投資家は、このETFを通常の株式と同じように売買するだけで、実質的にレバレッジをかけた投資を行うことが出来ます。

次に、取引の対象や仕組みも異なります。

CFDは、株価指数、個別株、商品、債券など、非常に幅広い資産を対象に取引出来ます。

また、売りからも入れる、ほぼ24時間取引可能といった特徴があります。

レバレッジ型ETFは、主に株価指数を対象としたものが多く、取引は証券取引所の取引時間内に限られます。

また、ETFは投資信託の一種であるため、信託報酬という運用管理費用がかかります。

注意点として最も大きな違いは、値動きの特性です。

CFDは、原資産の価格変動に対して、レバレッジ倍率を乗じた損益が発生します。

一方、レバレッジ型ETFは、「日々の変動率」に対して倍率がかかるため、2営業日以上の期間で見ると、対象指数の変動率の単純な倍数とは異なる動きになることがよくあります。

特に、相場が上がったり下がったりを繰り返すような状況(レンジ相場)では、複利効果によって基準価額が徐々に目減りしていく(減価する)という特性があります。

このため、レバレッジ型ETFは一般的に長期保有には向かず、短期的な市場の方向性を予測した取引に用いられることが多いです。

CFDも短期売買に向いていますが、レバレッジ型ETFとはリスクの性質やコスト構造が異なる点を理解しておく必要があります。

CFDもレバレッジ型ETFもレバレッジがかかってるけど、何が違うの?どっちも同じようなもの?
レバレッジのかけ方や、値動きの仕組みが違うのよ。CFDは自分でレバレッジをコントロールする感じだけど、レバレッジ型ETFは商品自体にレバレッジ効果が組み込まれているの。特にレバレッジ型ETFは、長く持つと指数の動きとずれることがあるから注意が必要ね。
CFDとレバレッジ型ETFは、共にレバレッジを活用しますが、CFDは直接的な証拠金取引、レバレッジ型ETFは日々の変動率に倍率をかける商品設計という違いがあります。特に後者は長期保有時の価格乖離リスクを理解することが肝要です。

8.2 CFDはNISAで取引できる?

結論から申し上げますと、CFDはNISA(少額投資非課税制度)の対象外であり、NISA口座で取引することは出来ません。

NISA制度は、個人投資家の資産形成を支援するために設けられた税制優遇制度です。

NISA口座内で購入した株式や投資信託などから得られる売却益(譲渡益)や配当金・分配金が、一定の投資枠内であれば非課税になるという大きなメリットがあります。

NISAで取引出来る金融商品は、主に以下の通りです。

  • 上場株式(国内株・外国株)
  • ETF(上場投資信託)
  • REIT(不動産投資信託)
  • 公募株式投資信託

CFD取引で得た利益は、税法上「先物取引に係る雑所得等」として扱われ、申告分離課税(税率20.315%)の対象となります。

これは、NISAの対象となる株式の譲渡所得や配当所得とは税金の区分が異なるためです。

NISA制度は、あくまで特定の金融商品から得られる利益を非課税にするものであり、CFDのようなデリバティブ取引(金融派生商品取引)は、その対象に含まれていません。

したがって、CFD取引で利益が出た場合は、NISA口座を利用しているかどうかに関わらず、原則として確定申告を行い、所定の税金を納める必要があります。

もし非課税での投資を考えているのであれば、ETFなどNISAの対象となっている金融商品を選ぶ必要があります。

NISAって税金がかからないんでしょ?CFDもNISAで出来たらいいのになあ。
残念ながら、CFDはNISAの対象じゃないのよ。NISAで取引できるのは、株とか投資信託、ETFが中心ね。税金の仕組みが違うから、CFDはNISAでは扱えないの。
CFDはNISA制度の対象外です。NISAは株式や投資信託などの現物に近い投資から得られる利益を非課税にする制度であり、CFDのような差金決済取引は税制上の扱いが異なるためです。

8.3 ETFでショートはできないの?

「ETFではショート(売りから入る取引)は出来ないのか」というご質問もよくあります。

結論としては、ETFの現物取引では基本的にショートは出来ません。しかし、他の方法を使えば実質的にショートポジションを持つことは可能です。

通常のETFの取引は、株式の現物取引と同様に、「買い」から入って価格上昇を期待するのが基本です。

つまり、安い時に買って高い時に売ることで利益を目指します。

しかし、相場が下落すると予想される局面でも利益を狙いたいと考える投資家もいます。

そのような場合にETFでショートポジションを取る主な方法は、以下の二つです。

  1. 信用取引を利用する:ETFも株式と同様に、証券会社で信用取引口座を開設すれば、「信用売り(空売り)」を行うことが出来ます。これは、証券会社からETFを借りて市場で売却し、価格が下落した後に買い戻して返却することで、その差額を利益として得る方法です。ただし、信用取引には保証金の差し入れが必要であり、金利や貸株料といったコストがかかります。また、追証が発生するリスクもあります。
  2. インバース型ETF(ベア型ETF)を購入する:ETFの中には、「インバース型ETF」と呼ばれる特殊な商品があります。これは、対象とする指数(例えば日経平均株価)が下落すると、逆にETFの価格が上昇するように設計されています。例えば、「日経平均ベア2倍ETF」といった商品であれば、日経平均株価が1%下落すると、ETFの価格が約2%上昇することを目指します。このインバース型ETFを購入することで、実質的に対象指数のショートポジションを持つのと同様の効果が得られます。ただし、インバース型ETF、特にレバレッジがかかっているものは、日々の値動きに連動するように設計されているため、長期保有すると複利効果によって対象指数の動きとずれ(減価)が生じやすいという特性があるため、注意が必要です。

このように、ETFの現物取引ではショートは出来ませんが、信用取引やインバース型ETFといった手段を用いることで、下落相場でも利益を追求する道が開かれています。

ただし、これらの方法は通常の現物取引よりも複雑でリスクも高まるため、仕組みを十分に理解した上で利用することが求められます。

ETFって、基本は買って値上がりを待つだけなのかな?相場が下がりそうな時は何も出来ないの?
普通のETFの現物取引だとそうね。でも、「信用取引」っていう方法を使えばETFも売れるし、「インバース型」っていう、指数が下がると逆に値段が上がる面白いETFもあるのよ。
ETFの現物取引ではショートは出来ませんが、信用取引による空売りや、インバース型ETFの購入によって、実質的にショートポジションを取ることは可能です。ただし、それぞれ特有のコストやリスクを伴います。

8.4 CFDに必要な証拠金は?

CFD取引を始めるにあたって、「どれくらいの証拠金が必要なのか」は非常に気になるポイントでしょう。

CFD取引で必要となる証拠金の額は、主に以下の要素によって決まります。

  1. 取引するCFDの銘柄(原資産の種類):株価指数CFD、商品CFD、株式CFDなど、どの種類のCFDを取引するかによって、必要な証拠金の計算に使われるレバレッジ倍率が異なります。一般的に、株価指数CFDはレバレッジ10倍、商品CFDはレバレッジ20倍、株式CFDはレバレッジ5倍といったように、証券会社や銘柄ごとに定められています。
  2. 取引する時点のCFDの価格(レート):当然ながら、取引しようとするCFDの価格が高いほど、必要な証拠金も多くなります。
  3. 取引数量(ロット数・枚数):どれくらいの量を取引するかによって、必要な証拠金は比例して増減します。
  4. レバレッジ倍率:前述の通り、銘柄ごとに設定されたレバレッジが高いほど、同じ取引金額に対する必要証拠金は少なくなります。

具体的な必要証拠金の計算式の一例は、以下のようになります(証券会社によって詳細は異なります)。

必要証拠金 = 取引価格 × 取引単位(または数量) ÷ レバレッジ倍率

例えば、ある株価指数CFD(レバレッジ10倍)の価格が30,000円で、取引単位が価格の1倍(つまり30,000円分の取引)だとします。

この場合、1枚あたりの必要証拠金は、

30,000円 × 1 ÷ 10倍 = 3,000円

となります。

もし、同じ銘柄を0.1枚取引するのであれば、

30,000円 × 0.1 ÷ 10倍 = 300円

の証拠金で取引を始められる計算になります(小数点以下の扱いは証券会社によります)。

このように、CFDはレバレッジを活用することで、比較的少額の資金から取引を始めることが可能です。

ただし、これはあくまで取引を始めるために「最低限必要な」証拠金額です。

実際に取引を行う際には、相場の変動によって損失が発生し、証拠金維持率が低下して追証やロスカットにならないよう、口座には十分な余裕資金を入れておくことが非常に重要です。

各証券会社のウェブサイトや取引ツールでは、主要なCFD銘柄の必要証拠金の目安や、リアルタイムで計算出来る機能が提供されていることが多いので、取引前に必ず確認するようにしましょう。

CFDって、始めるのにいくらくらいお金がいるのかな?レバレッジが使えるから、そんなに多くなくても大丈夫?
銘柄とか取引する量によるけど、計算式があって、それに当てはめると大体の金額が分かるわよ。例えば、株価指数CFDなら数千円から始められるものもあるわ。でも、ギリギリの資金でやるのは危ないから、余裕を持った方がいいわね。
CFDの必要証拠金は、取引価格、取引数量、レバレッジ倍率によって決まります。少額から取引開始出来るのが魅力ですが、ロスカットリスクを避けるためには、口座に十分な余剰資金を準備することが肝心です。

9. まとめ:CFDとETFの違い早見表

CFDとETFの違いについて、様々な角度から詳しく見てきました。
最後に、これまでの内容を整理し、両者の主な違いが一目で分かるように早見表にまとめました。
取引の対象、現物の保有の有無、レバレッジ、売りからの取引、取引時間、主なコスト、税金、NISA口座での取り扱い、そしてそれぞれどのような投資スタンスの人に向いているか、といったポイントで比較しています。
この表を参考に、ご自身の投資目的やスタイルに合った金融商品を選ぶための一助としてください。

CFDとETFは、どちらも魅力的な金融商品ですが、その特性は大きく異なります。

ご自身の投資目的、期間、資金量、リスク許容度などを総合的に考慮し、最適な方を選ぶことが大切です。

以下に、CFDとETFの主な違いをまとめました。

項目CFD(差金決済取引)ETF(上場投資信託)
主な取引対象株価指数、個別株、商品、債券など多岐にわたる主に株価指数、債券指数、商品価格などに連動
現物保有の有無なし(差金決済)あり(投資信託の受益証券を保有)
レバレッジ可能(例:株価指数10倍、商品20倍、株式5倍など銘柄により異なる)原則不可(現物の場合)。信用取引やレバレッジ型ETFでは可能。
売りからの取引可能(ショートポジション)原則不可(現物の場合)。信用取引やインバース型ETFで購入により実質可能。
取引時間原則ほぼ24時間(銘柄により異なる)証券取引所の取引時間内(例:国内ETFは平日9:00-11:30, 12:30-15:30)
主な売買コストスプレッド(取引手数料無料の場合が多い)売買手数料、スプレッド
主な保有コスト金利調整額、権利調整額、価格調整額など信託報酬(管理費用)
税金(利益)申告分離課税(先物取引に係る雑所得等、税率20.315%)申告分離課税(譲渡所得・配当所得、税率20.315%)。特定口座利用可。
NISA口座利用不可利用可能(成長投資枠・つみたて投資枠)
向いている人短期売買で積極的に利益を狙いたい人、少ない資金で大きな取引をしたい人、売りからも取引したい人長期的な資産形成を目指す人、分散投資を手軽に行いたい人、NISAを活用したい人、現物保有で安心感を得たい人

この早見表はあくまで一般的な比較であり、具体的な条件は取引する証券会社や商品によって異なります。

必ずご自身で詳細を確認し、納得した上で投資判断を行うようにしてください。

CFDとETF、それぞれの違いを理解し、ご自身の投資戦略に合った商品を選ぶことが、賢い資産運用の第一歩となるでしょう。

こうやって表で見ると、違いが分かりやすいね!CFDは短期向けでハイリスク・ハイリターン、ETFは長期向けでコツコツ型って感じかな。
大まかにはそんなイメージね。でも、ETFにも短期で使えるものがあったり、CFDも使い方次第だったりするから、自分のやりたいことに合わせて、もっと詳しく調べてみるのがいいわよ。
この早見表は、CFDとETFの特性を大掴みするのに役立ちます。しかし、最終的な選択は、ご自身の投資目的、リスク許容度、そして各商品の詳細な情報を踏まえて慎重に行うべきです。

CFDとETFは、投資対象や取引の仕組み、コスト、リスクの性質が大きく異なります。

CFDはレバレッジを効かせた短期売買や多様な資産への投資、売りからの取引に強みがありますが、リスク管理が重要です。

一方、ETFは低コストでの分散投資や長期的な資産形成、NISA口座の活用に適しています。

この記事で解説したCFDとETFの違いを理解し、ご自身の投資目的やスタイルに合った最適な手段を選ぶことが、賢い資産運用のスタートラインです。

それぞれの特徴を把握し、あなたにピッタリの投資法を見つけましょう。

本記事の注意事項(免責事項)

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を意図したものではありません。本記事に記載されている情報については、正確性、完全性、有用性を確保するために努力しておりますが、その保証は致しかねます。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事の内容を利用して生じたいかなる損害についても、当サイトおよび著者は一切の責任を負いかねます。詳しくは免責事項ページをご確認ください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

この記事を書いた人

塚越ヒロのアバター 塚越ヒロ デジタルテレワーカー

IT企業勤務の投資家。        
このブログでは、CFD(差金決済取引)を中心に、株式投資で得た知識や体験を発信します。
【株式投資歴2年】ミニCFDで資産形成中。   
【ミニCFDの魅力】少額で投資の勉強ができる。 
 ミニCFD(数百円)から実力をつけて、CFDにステップアップ。           

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