最近、「CFD」という言葉を耳にする機会が増えたかもしれません。
「株式投資と何が違うの?」「どちらが自分に合っているのだろう?」
そんな疑問を持つ投資初心者の方も多いのではないでしょうか。
CFD(差金決済取引)と株式投資は、どちらも資産を増やす可能性がある方法ですが、その仕組みや特徴、リスクは大きく異なります。
この記事では、CFDと株式投資の違いを、投資初心者の方にもわかりやすく、基本から丁寧に解説していきます。
それぞれのメリット・デメリットを正しく理解することは、ご自身の投資目標やリスク許容度に合った方法を選ぶ上で非常に重要です。
この記事を読んで、CFDと株式投資の違いを学び、あなたに最適な投資の第一歩を踏み出しましょう。
1. CFDと株式投資の基本理解
CFDと株式投資がそれぞれどのようなものか、基本的な仕組みから見ていきましょう。
1.1 CFD(差金決済取引)とは?
CFDは「Contract For Difference」の略で、日本語では「差金決済取引」と呼ばれます。
(1) 現物を保有せず、価格差で利益を狙う取引手法
CFDの最大の特徴は、株式や商品といった「現物」を実際に保有することなく取引を行う点にあります。
取引するのは、金融商品の「価格」そのものです。
具体的には、ある金融商品の価格が将来上がるか下がるかを予測し、新規に「買い」または「売り」のポジション(建て玉)を持ちます。
その後、予測通りに価格が動いたタイミングで反対売買を行い、ポジションを決済します。
この時の新規建て価格と決済価格の差額(差金)が、利益または損失となる仕組みです。
例えば、「ある商品の価格が上がる」と予想して買いポジションを持ち、実際に価格が上昇した後に決済すれば、その差額が利益になります。
逆に、予想に反して価格が下がれば、差額が損失となります。
実際に商品そのものを手に入れるわけではない、という点がポイントです。
価格の変動に注目して利益を狙う、純粋な金融取引と言えるでしょう。
(2) 株式、株価指数、商品、債券など多様な金融商品が対象
CFDのもう一つの大きな特徴は、取引対象となる金融商品の種類の豊富さです。
一つのCFD口座で、以下のような様々な市場に投資できます。
- 株価指数: 日経平均株価(日経225)、NYダウ平均株価、S&P500など、 国内外の主要な株価指数。
- 個別株式: トヨタやソニーといった日本の有名企業だけでなく、 アップルやアマゾンなどの米国株、さらには欧州やアジアの個別株。
- 商品(コモディティ): 金、銀、原油、天然ガスなど。
- 債券: 国債先物など。
- (証券会社によっては)為替(FX): FXもCFDの一種として提供される場合がある。
このように、CFDは世界中の多様なマーケットに、一つのプラットフォームからアクセスできる利便性を持っています。
1.2 株式投資とは?
一方、株式投資はより伝統的で、多くの方が「投資」と聞いてイメージする方法かもしれません。
(1) 企業の株式を購入し、配当や値上がり益を得る伝統的な投資方法
株式投資は、証券取引所に上場している企業の株式(株券)を購入することです。
株式を購入するということは、その企業の一部オーナー(株主)になることを意味します。
株主になることで、主に二つの利益を期待できます。
- 値上がり益(キャピタルゲイン): 購入した株式の価格が上昇した時に売却することで得られる利益。安く買って高く売る、というシンプルな考え方です。
- 配当金(インカムゲイン): 企業が事業活動で得た利益の一部を、株主に対して分配するもの。企業の業績に応じて、定期的に受け取れる可能性があります。
さらに、日本の株式投資特有の魅力として「株主優待」があります。
企業が株主に対して、自社製品やサービス、割引券などを提供する制度です。
これらは、CFD取引では得られない、現物株を保有する株主ならではの権利と言えます。
このように、株式投資は企業の成長性や収益性に注目し、その恩恵を値上がり益や配当金といった形で受け取ることを目指す投資手法です。
CFDが価格変動そのものに注目するのに対し、株式投資は「企業のオーナーになる」という側面が強いのが特徴です。
2. CFDと株式投資の主な違い
基本的な仕組みを理解したところで、CFDと株式投資の具体的な違いを比較していきましょう。
両者の特性を形作る重要な要素がいくつかあります。
2.1 レバレッジの有無
レバレッジは、投資効率に大きく関わる要素であり、CFDと株式投資(現物取引)の最も大きな違いの一つです。
(1) CFD:最大5~20倍のレバレッジが可能
CFD取引では、レバレッジを利用できます。
レバレッジとは「てこの原理」のことで、少ない自己資金(証拠金)を担保に、その何倍もの金額の取引を行うことができる仕組みです。
例えば、証拠金10万円でレバレッジ10倍を利用すれば、100万円分の取引が可能になります。
これにより、わずかな価格変動でも、自己資金に対して大きな利益を狙うことができます。
これが「資金効率が高い」と言われる理由です。
ただし、レバレッジは諸刃の剣です。
利益が大きくなる可能性がある一方で、損失も同様に拡大します。
予想と反対に価格が動いた場合、預けた証拠金以上の損失が発生するリスク(追証)もあります。
日本国内のCFD取引では、金融商品取引法に基づき、提供できる最大レバレッジが資産クラスごとに定められています。
一般的に、個別株CFDは最大5倍、株価指数CFDは最大10倍、商品CFDは最大20倍となっていることが多いです。
(※利用する証券会社や具体的な銘柄によって異なる場合があります。)
レバレッジの仕組みとリスクを十分に理解することが、CFD取引を行う上で不可欠です。
(2) 株式投資:基本的にレバレッジなし(信用取引を除く)
一方、通常の株式投資(現物取引)では、基本的にレバレッジはかかりません。
投資家は、自分が持っている資金の範囲内で株式を購入します。
そのため、投資した金額以上に損失を被ることはありません(株価がゼロになる可能性はありますが、借金を負うことはありません)。
リスクが限定されている点は、初心者にとって安心材料と言えるでしょう。
ただし、株式投資にも「信用取引」という仕組みがあります。
これは、証券会社から資金や株式を借りて、自己資金以上の取引を行う方法で、レバレッジがかかります。
信用取引を利用すれば、株式投資でも売りから入る(空売り)ことも可能です。
しかし、信用取引は現物取引とは別の、より高度な取引手法であり、利用するには審査や追加のリスク理解が必要です。
CFDのレバレッジとは区別して考える必要があります。
2.2 取引時間の違い
取引できる時間帯も、CFDと株式投資で大きく異なります。
(1) CFD:ほぼ24時間取引可能
CFDは、世界中の様々な市場(株式、株価指数、商品など)を取引対象としているため、ほぼ24時間取引が可能な点が大きな特徴です。
例えば、日本の株式市場が閉まっている夜間でも、米国の株価指数や個別株、為替、商品などのCFDを取引できます。
これは、日中仕事をしている方でも、帰宅後や早朝に自分のライフスタイルに合わせて取引できるというメリットがあります。
また、海外市場で大きなニュースが出た際に、すぐに対応できる柔軟性も持ち合わせています。
(2) 株式投資:市場の開場時間内のみ取引可能
日本の株式投資の場合、取引は基本的に証券取引所が開いている時間に限られます。
代表的な東京証券取引所(東証)の取引時間は、平日の午前9:00~11:30(前場)と午後12:30~15:30(後場)です。
この時間帯以外は、基本的にリアルタイムでの売買はできません。
(PTSと呼ばれる私設取引システムで夜間取引も可能ですが、取引量や銘柄が限られる場合があります。)
そのため、日中に仕事などで忙しい方は、取引できる時間が限られてしまう可能性があります。
2.3 売りからの取引(ショート)の可否
価格が下落する局面で利益を狙えるかどうかも、両者の重要な違いです。
(1) CFD:売りからの取引が可能
CFDでは、「売り」から取引を始める(ショートセリング、空売り)ことが非常に簡単に行えます。
これは、ある金融商品の価格が将来下がると予測した場合に、まず「売り」ポジションを持ち、価格が実際に下落した後に「買い」戻して決済することで、差額を利益とする手法です。
上昇相場だけでなく、下落相場でも利益を狙えるため、より多様な市場環境に対応できるのがCFDの強みです。
取引プラットフォーム上で、「買い」ボタンの隣にある「売り」ボタンをクリックするだけで、簡単に売りポジションを持つことができます。
(2) 株式投資:信用取引を利用することで可能
株式投資(現物取引)では、基本的に「安く買って高く売る」ことしかできません。
つまり、価格が上昇しないと利益は得られません。
株価が下落する局面で利益を出すためには、前述の「信用取引」を利用する必要があります。
信用取引では、証券会社から株を借りてきて市場で売り、株価が下がったところで買い戻して株を返却することで、
差額を利益とします(空売り)。
しかし、信用取引には金利(貸株料)などのコストがかかり、株価が予想に反して上昇した場合、理論上は損失が無限大になるリスクも伴います(実際には追証や強制決済があります)。
CFDに比べて、初心者にとってはややハードルが高いと言えるでしょう。
2.4 取引コストの違い
投資を行う上で無視できないのが、取引にかかるコストです。
CFDと株式投資では、コストの体系が異なります。
(1) CFD:取引手数料無料が多いが、スプレッドやオーバーナイト金利が発生
多くのCFDブローカーは、取引手数料を無料としています。
これは一見魅力的に見えますが、注意が必要です。
CFDの主な取引コストは、以下の二つです。
- スプレッド: これは、同一の金融商品における売値(Bid)と買値(Ask)の差のことです。投資家は常に、少しだけ高い価格(買値)で買い、少しだけ安い価格(売値)で売ることになります。この差額が実質的な取引コストとなり、取引ごとに発生します。スプレッドは狭いほど投資家にとって有利です。
- オーバーナイト金利(金利調整額、ファンディングコスト): レバレッジをかけてポジションを翌日に持ち越した場合に発生するコストです。レバレッジを利用するということは、資金を借りて取引している状態に近いため、その金利負担分が調整額として日々発生します(買いポジションの場合)。逆に売りポジションでは金利を受け取れる場合もありますが、一般的には支払いとなることが多いです。このコストがあるため、CFDはレバレッジをかけた長期保有には不向きとされることがあります。
(2) 株式投資:取引手数料が発生するが、スプレッドは存在しない
株式投資(現物取引)では、売買を行うごとに証券会社に支払う取引手数料が発生します。
手数料の体系は証券会社によって異なり、約定代金に応じた料率制や、1日の取引金額に応じた定額制などがあります。
近年はネット証券を中心に手数料の無料化も進んでいますが、条件が付く場合が多いです。
一方で、CFDのような「スプレッド」は存在しません。
取引所では、買いたい人と売りたい人の注文が合致した価格(市場価格)で取引が成立します。もちろん市場には買値と売値の気配値がありますが、
それは市場参加者全体の需給によるもので、CFDブローカーが設定するスプレッドとは性質が異なります。
長期保有を前提とする場合、CFDのオーバーナイト金利のような継続的なコストは発生しません(信用取引を除く)。
これらの違いを理解することは、自分の取引スタイルに合った投資方法を選ぶ上で非常に重要です。
短期的な取引を重視するならCFDの特性が活きる場面もありますが、長期的な資産形成を目指すなら株式投資(現物)の方がコスト面で有利になる可能性があります。
3. CFDの種類と特徴
CFDは非常に多様な金融商品を取引対象としていますが、ここでは代表的なCFDの種類とその特徴を見ていきましょう。
3.1 株価指数CFD
(1) 日経平均、NYダウなどの指数を対象としたCFD取引
株価指数CFDは、日経平均株価(日経225)やNYダウ平均株価、S&P500、ナスダック総合指数(米国)、DAX(ドイツ)、FTSE100(イギリス)など、国内外の主要な株価指数を原資産とするCFDです。
株価指数は、市場全体や特定のセクターを代表する複数の銘柄(例:日経225なら東証プライム上場の代表的な225銘柄)の株価を基に算出されるため、その指数の動きは市場全体の動向を反映していると考えられます。
株価指数CFDを取引するメリットは、個別の企業分析に時間をかけることなく、マクロ経済の動向や市場全体の流れを読んで投資できる点です。
例えば、「今後、米国経済は好調だろう」と考えるならNYダウやS&P500の買いポジションを持つ、といった戦略が取れます。
また、指数自体が多数の銘柄で構成されているため、個別株投資に比べて分散投資の効果が期待できるとも言えます。
世界経済の動向を捉えたい投資家にとって、非常にポピュラーなCFDです。
3.2 個別株CFD
(1) 世界中の個別株に1株から投資可能
個別株CFDは、その名の通り、個別の企業の株式を原資産とするCFDです。
日本の証券会社を通じて、トヨタ自動車やソフトバンクグループといった国内企業の株式はもちろん、アップル、グーグル(アルファベット)、テスラ、アマゾンといった米国の有名ハイテク企業、さらには欧州やアジアなど、世界中の企業の株式に投資することが可能です。
通常の株式投資では、外国株を取り扱っている証券会社を選び、場合によっては別途外国株取引口座を開設する必要がありますが、CFDなら一つの口座で国内外の個別株を手軽に取引できるのが魅力です。
また、ブローカーによっては、1株に満たない単位(例:0.1株相当など)での取引が可能な場合もあり、少額からでも有名企業の株価変動に投資できる機会を提供します。
特定の企業の成長性に期待する、あるいは業界動向に基づいて銘柄を選びたい投資家に向いています。
3.3 商品CFD
(1) 金、原油などの商品を対象としたCFD取引
商品CFD(コモディティCFD)は、金(ゴールド)、銀(シルバー)、プラチナといった貴金属、WTI原油、ブレント原油、天然ガスなどのエネルギー、あるいはトウモロコシ、大豆といった農産物など、「商品(コモディティ)」の価格変動を対象とするCFDです。
これらの商品の価格は、株式や債券とは異なる要因(例:世界的な需要と供給のバランス、地政学的リスク、天候、インフレ期待など)によって変動する傾向があります。
そのため、商品CFDをポートフォリオに加えることで、株式市場などとは異なる値動きを捉え、リスク分散効果を期待することができます。
特に金は「安全資産」として、原油は世界経済の動向を映す指標として注目されることが多く、トレーダーにとって魅力的な投資対象となっています。
このように、CFDは一つの口座で多様な資産クラスにアクセスできる非常に汎用性の高い取引手段です。
この多様性が、様々な市場環境や投資戦略に対応できるCFDの大きな魅力の一つと言えるでしょう。
4. CFDのメリットとデメリット
ここまで見てきた特徴を踏まえ、CFD取引のメリットとデメリットを整理してみましょう。
4.1 メリット
(1) 少額資金で大きな取引が可能(レバレッジの活用)
CFDの最大のメリットの一つは、レバレッジを利用できることです。
少ない証拠金で、その何倍もの金額の取引ができるため、資金効率が良いと言えます。
例えば、10万円の資金でも、10倍のレバレッジをかければ100万円分の取引が可能となり、わずかな価格変動でも大きなリターンを狙うことができます。
これは、特に投資資金が限られている初心者にとって魅力的に映るかもしれません。
ただし、後述するリスク管理が不可欠です。
(2) 下落相場でも利益を狙える(売りからの取引)
CFDでは、価格が下落する局面でも利益を追求できる点も大きな利点です。
「売り」から取引を始める(ショートセリング)ことが容易なため、市場が上昇している時だけでなく、下落している時にも収益機会を探ることができます。
相場の方向性に関わらず、柔軟な戦略を取れるのはCFDの強みです。
(3) 取引時間が長く、柔軟な取引が可能
前述の通り、CFDは世界中の市場を対象としているため、ほぼ24時間取引が可能です。
日本の株式市場が開いていない時間帯でも、海外の株価指数や為替、商品などを取引できます。
日中は仕事で忙しい方や、海外市場の動向にリアルタイムで対応したい方にとって、この取引時間の柔軟性は大きなメリットとなります。
4.2 デメリット
一方で、CFDには注意すべきデメリットも存在します。
特に初心者の方は、これらのリスクを十分に理解しておく必要があります。
(1) レバレッジによる損失リスクの増加
メリットとして挙げたレバレッジですが、これは最大のデメリットにもなり得ます。
レバレッジは利益を増幅させる可能性があると同時に、損失も同様に増幅させます。
予想と反対に価格が動いた場合、損失は急速に拡大し、預けた証券金以上の損失が発生するリスク(追証)があります。
最悪の場合、追加で資金を入金しなければならない状況に陥る可能性も否定できません。
一部のブローカーでは「ゼロカットシステム」を採用しており、追証が発生しない場合もありますが、必ず確認が必要です。
レバレッジを高く設定すればするほど、このリスクは高まります。
CFD取引における最大のリスクと言っても過言ではなく、徹底した資金管理とリスクコントロールが求められます。
(2) オーバーナイト金利やスプレッドによるコスト
CFDの取引コストであるスプレッドとオーバーナイト金利もデメリットとなり得ます。
スプレッドは取引ごとに発生するため、頻繁に売買を繰り返すとコストがかさみます。
また、オーバーナイト金利は、レバレッジをかけたポジションを翌日に持ち越すたびに発生するため、長期保有には不向きです。
数週間、数ヶ月といった期間でポジションを保有し続けると、金利負担が積み重なり、利益を圧迫したり、損失を拡大させたりする可能性があります。
「取引手数料無料」という言葉だけに惑わされず、これらの隠れたコストを考慮する必要があります。
(3) 現物資産を保有しないため、配当や株主優待の権利がない
CFDは差金決済取引であり、現物の資産を保有しません。
そのため、株式投資(現物)であれば得られる配当金や株主優待を受け取る権利がありません。
ただし、配当金に関しては、「配当相当額(権利調整額)」という形で調整が行われる場合があります。
個別株CFDの買いポジションを配当金の権利確定日をまたいで保有している場合、配当金に相当する金額が口座に加算されることがあります。
逆に、売りポジションを保有している場合は、相当額が差し引かれます。
しかし、この調整額は実際の配当金とは税制上の扱いが異なる場合や、金額が満額でない場合もあるため、注意が必要です。
そして、日本株で人気の株主優待については、CFDでは一切受け取ることができません。
企業のオーナーとしての権利や特典を重視する方にとっては、これは明確なデメリットとなります。
これらのメリット・デメリットは、CFDの基本的な仕組み(レバレッジ、差金決済、多様な原資産)から直接的に生じるものです。
CFD取引を始める前には、これらの点を十分に理解し、自身の投資スタイルやリスク許容度に合っているかを慎重に判断することが極めて重要です。
5. CFD取引におすすめの証券会社
CFD取引を始めるには、CFDサービスを提供している証券会社に口座を開設する必要があります。
各社で取扱銘柄、取引コスト(スプレッド)、取引ツール、サポート体制などが異なるため、自分に合った会社を選ぶことが大切です。
ここでは、日本で人気のある代表的な証券会社をいくつかご紹介します。
【重要】
以下の情報は、この記事の執筆時点(2024年5月)で各社の公式サイト等から収集したものです。サービス内容や手数料、スプレッド等は変更される可能性がありますので、実際に取引を始める前には、必ずご自身で各社の公式サイトにて最新情報をご確認ください。
5.1 GMOクリック証券
(1) 株式CFDや株価指数CFDの取扱銘柄が豊富
GMOクリック証券は、特に株価指数CFDと日本株・米国株を中心とした個別株CFDの取扱いに強みを持つ証券会社です。
日経225やNYダウといった主要な株価指数はもちろん、国内外の幅広い銘柄を取引できます。
初心者から経験者まで、多くのトレーダーに利用されています。
[出典: GMOクリック証券 公式サイト]
(2) 取引手数料無料、スプレッドが狭い
CFD取引の取引手数料は無料です。
また、主要な株価指数CFDなどで業界最狭水準のスプレッドを提供していることを強みとしており、取引コストを抑えたいトレーダーにとって魅力的です。
(※スプレッドは市場状況により変動します。)
独自の高機能な取引ツール(Webブラウザ版、スマホアプリ)は使いやすいと評判で、初心者でも直感的に操作しやすいでしょう。
[出典: GMOクリック証券 公式サイト]
5.2 IG証券
(1) 約17,000銘柄の個別株CFDを取扱い
IG証券は、英国に本拠を置く世界的なCFDプロバイダーであり、その圧倒的な取扱銘柄数が最大の特徴です。
特に個別株CFDは約17,000銘柄(2024年5月時点)と非常に豊富で、日本株、米国株はもちろん、欧州、アジア、アフリカなど、世界中の株式に投資することが可能です。
株価指数、商品、債券なども幅広く取り扱っており、グローバルな視点で多様な市場に投資したい方に適しています。
[出典: IG証券 公式サイト]
(2) 最大レバレッジは規制に準拠、取引手数料無料
レバレッジは日本の規制に基づき、個別株CFDは最大5倍、主要株価指数CFDは最大10倍、商品CFDは最大20倍となります。(※銘柄により異なる場合があります。)
CFD取引の取引手数料は無料です(一部の株式CFDを除く場合あり、要確認)。
スプレッドは銘柄によって異なりますが、競争力のある水準を提供しています。
高機能なWebプラットフォームや各種モバイルアプリに加え、上級者向けの「ProRealTime」チャートなども利用可能です。
また、「ノックアウト・オプション」という、最大損失額を限定できる独自の金融商品も提供しています。
[出典: IG証券 公式サイト]
5.3 楽天証券
(1) MT4を利用した高度な取引が可能
楽天証券のCFDサービス(主に株価指数CFD、商品CFD)では、世界中のトレーダーに利用されている高機能取引プラットフォーム「MT4(メタトレーダー4)」を利用できる点が特徴です。
MT4は豊富なテクニカル指標や描画ツールを備え、「EA(Expert Advisor)」と呼ばれる自動売買プログラムを利用することも可能です。テクニカル分析を重視するトレーダーや、システムトレードに関心のある方に向いています。(※個別株CFDの取扱いは限定的、または無い可能性があります。要確認。)
[出典: 楽天証券 公式サイト]
(2) 取引手数料無料、商品CFDのレバレッジは最大20倍
CFD取引の取引手数料は無料です。
商品CFDの最大レバレッジは20倍、株価指数CFDは最大10倍と、こちらも日本の規制に準拠しています。
楽天グループのサービスであるため、楽天ポイントが貯まる・使えるといった連携メリットも期待できます。
取引ツールとしてはMT4の他に、楽天証券独自の「マーケットスピード II」なども利用可能です(CFD対応状況は要確認)。
[出典: 楽天証券 公式サイト]
■ 主要CFD証券会社比較(概要)
証券会社 | 主な取扱CFD | 主要指数の最大レバレッジ | 個別株の最大レバレッジ | 商品の最大レバレッジ | 取引手数料 | 主要指数の代表的スプレッド(※変動あり) | 取引ツール | 特徴 |
GMOクリック証券 | 株価指数、個別株(日米中心)、商品、バラエティ | 10倍 | 5倍 | 20倍 | 無料 | 狭い(例:日経225 5円程度 [要確認]) | 独自ツール(Web/スマホ) | スプレッド競争力、使いやすいツール、国内大手の安心感 |
IG証券 | 株価指数、個別株(世界約17,000)、商品、債券他 | 10倍 | 5倍 | 20倍 | 無料 | 標準的(例:日経225 7円程度 [要確認]) | 独自ツール(Web/スマホ)、ProRealTime、MT4 | 圧倒的な取扱銘柄数(特に外国株)、グローバル企業、ノックアウト・オプション |
楽天証券 | 株価指数、商品 | 10倍 | (取扱限定的か無) | 20倍 | 無料 | 標準的(例:日経225 7円程度 [要確認]) | MT4、マーケットスピード II(要確認) | MT4利用可能、楽天ポイント連携、大手ネット証券の信頼性 |
(注)上記は概要であり、最新かつ詳細な情報は必ず各社の公式サイトでご確認ください。スプレッドは市場の急変時等に拡大することがあります。
このように、証券会社ごとに強みや特徴が異なります。
自分がどの市場(株価指数、個別株、商品など)を中心に取引したいか、どのような取引ツールを使いたいか、コスト(特にスプレッド)をどれだけ重視するか、といった点を考慮して、最適な証券会社を選びましょう。
多くの証券会社ではデモ口座を提供しているので、まずはデモ取引でプラットフォームの使い勝手や実際の取引の流れを試してみることを強くお勧めします。
6. CFDと株式投資の使い分けガイド
さて、CFDと株式投資の違い、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。では、結局どちらを選べば良いのでしょうか?
最終的な答えは、あなたの投資スタイル、目標、リスク許容度、そして利用できる資金や時間によって異なります。
ここでは、どのようなタイプの投資家にそれぞれが適しているかの目安を示します。
6.1 CFDが適している投資家
以下のような考え方や目標を持つ方は、CFD取引を検討する価値があるかもしれません。
(1) 短期的な値動きを狙いたい方
CFDはレバレッジを利用することで、比較的小さな値動きでも大きなリターンを狙うことが可能です。
また、オーバーナイト金利の存在から、長期保有にはコストがかかります。
これらの特性から、数分~数時間で取引を完結させるデイトレードや、数日~数週間で利益を狙うスイングトレードなど、比較的短期的な取引を志向する方に適しています。
(2) 少額資金で多様な市場に投資したい方
レバレッジにより、少ない元手でも大きなポジションを持つことができ、また、一つの口座で国内外の株価指数、個別株、商品など多様な市場にアクセスできるのがCFDの魅力です。
限られた資金で、様々な市場の値動きから収益機会を探りたいと考えている方には、有効な手段となり得ます。
(3) 下落相場でも利益を狙いたい方
「売り」から簡単に取引を始められるため、市場が下落している局面でも積極的に利益を追求したいと考える方には、CFDは強力なツールとなります。
上昇相場だけでなく、下落相場も収益チャンスと捉えたいアクティブなトレーダーに向いています。
(加えて)
- レバレッジに伴う高いリスクを十分に理解し、許容できる方。
- 市場の動向を積極的に分析・監視し、迅速な判断ができる方。
- 資金管理(損切りルールの設定など)を徹底できる方。
CFDは、その特性上、アクティブなトレーダー向けの金融商品と言えます。
高いリターンの可能性がある反面、高いリスクも伴うことを常に意識する必要があります。
6.2 株式投資が適している投資家
一方で、以下のような考え方や目標を持つ方には、(現物)株式投資の方が適している可能性が高いでしょう。
(1) 長期的な資産形成を目指す方
企業の成長性や将来性に投資し、数年~数十年といった長期的な視点で資産を増やしていきたいと考えている方には、株式投資(現物)が基本となります。
株価の値上がり益(キャピタルゲイン)をじっくりと待つ戦略は、日々の値動きに一喜一憂することなく、着実な資産形成を目指す上で有効です。
長期保有であれば、CFDのようなオーバーナイト金利の心配もありません。
(2) 配当や株主優待を重視する方
企業の利益の一部である配当金を受け取ったり、株主優待を楽しんだりしたい方は、現物株式を保有する必要があります。
これらは、株価の値上がりだけでなく、投資を継続する上での楽しみや安定した収益源(配当)となり得ます。
「企業のオーナーになる」という実感を得たい方にも、株式投資が適しています。
(3) レバレッジを避け、安定した投資を好む方
レバレッジをかけた取引に伴う大きなリスクを避けたい、
元本以上の損失を出す可能性を排除したいと考える方には、現物株式投資が適しています。
投資額が最大損失額となるため、リスク管理が比較的容易であり、精神的にも落ち着いて投資に取り組みやすいでしょう。
安定性を重視し、コツコツと資産を築いていきたい初心者の方には、まず現物株式投資から始めることをお勧めします。
(加えて)
- 応援したい企業や、将来性を感じる企業に直接投資したい方。
- 日々の市場の動きを常に追う時間がない、またはそれを望まない方。
- 比較的低いリスクで投資を始めたい方。
株式投資(現物)は、長期的な視点での資産形成や、企業の成長を応援するという投資の本来の姿に近い方法と言えます。
リスクが限定されているため、初心者の方が最初に触れる投資としても適しています。
まとめ
今回は、CFDと株式投資の違いについて、基本的な仕組みからメリット・デメリット、使い分けまでを解説しました。
CFD(差金決済取引)は、
- 現物を保有せず、価格差で利益を狙う
- レバレッジを利用して少額資金で大きな取引が可能
- ほぼ24時間、多様な市場(株価指数、個別株、商品など)に投資できる
- 売りからも取引でき、下落相場でも利益を狙える
- ただし、レバレッジにより損失リスクも大きい
- スプレッドやオーバーナイト金利といったコストがかかる
- 配当金(相当額調整あり)や株主優待は基本的に受け取れない といった特徴があり、短期的な取引や多様な市場への投資、 下落相場での収益を狙いたいアクティブなトレーダーに向いています。
一方、株式投資(現物取引)は、
- 企業の株式を実際に購入し、オーナーになる
- 値上がり益や配当金、株主優待を期待できる
- 基本的にレバレッジはかからず、リスクは投資元本に限定される
- 取引は市場の開場時間内に限られる
- 取引手数料がかかる(無料化の動きもあり)
- 売りからは取引できない(信用取引を除く) といった特徴があり、長期的な資産形成を目指し、 配当や優待を重視し、安定した投資を好む方に適しています。
CFDは、少ない資金で大きなリターンを得られる可能性がある反面、非常に高いリスクを伴う金融商品です。
特にレバレッジのリスクは、初心者の方が安易に手を出すと大きな損失につながる可能性があります。
CFD取引を検討する場合は、その仕組みとリスクを十分に理解し、必ず余裕資金の範囲内で行い、損切りなどのリスク管理を徹底してください。
まずはデモ口座で練習することから始めるのが賢明です。
株式投資(現物)は、リスクが限定されており、長期的な視点で企業の成長とともに資産を育てるという、投資の王道とも言える方法です。
初心者の方は、まずはこちらから始めてみるのが良いかもしれません。
最終的にどちらを選ぶかは、ご自身の投資目的、期間、リスク許容度、ライフスタイルなどを総合的に考慮して判断することが重要です。
この記事が、あなたの投資方法選びの一助となれば幸いです。
もし、CFD取引についてさらに詳しく知りたい、あるいは実際に始めてみたいと考えた方は、今回ご紹介したGMOクリック証券、IG証券、楽天証券などの公式サイトで詳細な情報を確認し、
ご自身に合った証券会社を比較検討してみることをお勧めします。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
【登場人物】






CFDと他投資商品の比較
CFDの雑学
ミニCFD GMOクリック証券
※CFD:差金決済取引